2018 Fiscal Year Research-status Report
情報モラル遵守行動意思決定モデルに基づく教育プログラムの開発
| Project/Area Number |
16K12782
|
|---|
| Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
田中 孝治 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (60583672)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 雅洋 関西大学, 総合情報学部, 教授 (60368199)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | 知識と行動の不一致 / 行動意図 / 計画的行動理論 / 情報モラル / 学習支援方式 / 認知心理学的実験 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究が提案する、情報モラルに関する知識を保有していたとしても実際のとる行動が異なるといった知識と行動の不一致の解決策や、不一致の生起要因に関する学習意欲を持つようになることを教育目標とした教育プログラム（昨年度の成果として報告済）の中で実施した認知心理学的実験を統計的検定手法により検証した。その結果、実験参加者が適切な知識を有しているにもかかわらず情報モラルに反する行動意図が形成されることが示された。また、大学生の方が高校生に比べて知識保有の割合は高く、適切な行動意図形成の割合が高いことが示された。
情報モラルに反する行動をとってしまうという心の動きが心理学的実験に基づき（心理学の学術的知見として認められた方法で）可視化されることで、本研究で提案する教育手法の信ぴょう性を向上することができる。そこで、これらの結果を論文にまとめ、本事業の成果として今年度中に発刊されるタイミングで心理学系の論文誌に投稿した。残念なことに二回目査読の際に返戻という結果であったが、査読プロセスに際して査読者から有用なコメントを得られた。そこで、本事業の目的をより精緻に達成するために、再度、教育プログラムを試行し、教育プログラムの洗練を行っている。
その成果の一部は、教育系の国内研究会発表において、優秀論文賞を受賞するなど、学術的評価を得ている。現在、教育プログラムの一部である認知心理学的実験についての検証結果を再度論文にまとめ、発刊に向けて着実に進んでいる。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本事業の成果を最終年度中に発刊されるタイミングで論文誌に投稿したが、残念なことに返戻という結果であった。その際に、査読者から研究に対する有益な指摘をいただいた。本事業の目的をより精緻に達成するために、指摘内容を踏まえた実験実施・教育プログラムを再実施したため、申請当初の計画よりやや遅れることとなった（延長申請済み）。
|
| Strategy for Future Research Activity |
論文投稿に際して有用なコメントを得られたため、再度、教育プログラムを試行し、教育プログラムの洗練を行っている。平成31年（令和元年）度は、それらの研究成果を踏まえて、学会発表、論文投稿を行う予定である。また、平成30年度末の学会発表において関連分野の研究者からも本研究内容の評価とともに、今後の発展を期待するコメントを得ている（優秀発表賞を受賞）。今後も、国内外を問わず研究成果を社会に発信していく予定である。
|
| Causes of Carryover |
（理由）
当初の計画では、平成30年度に本事業を完遂する予定であったが、最終報告として計画していた論文投稿（返戻）に際して有用なコメントを得られたため、再度、教育プログラムを試行し、教育プログラムを洗練した。それらの成果についても学会発表・論文投稿する計画に変更したため、次年度使用額が生じることとなった。
（使用計画）
平成31年度（令和元年度）中に発刊される論文の掲載料として、今年度の未使用額をあてる。本事業で得られた結果について、国内外に向けて公表することで、多種多様な専門家などからの助言をいただき、基盤研究への展開を計画する。今年度の未使用額をそれにあてる計画である。
|
