2017 Fiscal Year Annual Research Report
Towards a New Learning Analytics Based on Complex Networks Sciences and Sociophysics
Project/Area Number |
16K12791
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
安武 公一 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (80263664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 泰之 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (70273208)
多川 孝央 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 准教授 (70304764)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 社会的シミュレーション / ラーニング・アナリティクス / 学習科学 / 協調学習 / 複雑ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度(研究最終年度)の当初の研究計画は次の通りであった.1) 社会物理学モデルによる協調学習の理論モデル化,2) Multiplex Networks構造を導入した「社会的学習」の理論モデル化.この目標に対して本研究では次の研究を実施した.1) Multiplex Networks構造上での協調行動の波及に関する理論研究,2) Multiplex Networks構造上での情報の伝播・修正現象に関する理論研究.これらの理論研究によってわれわれは次の成果を得た. 1) Multiplex Networks構造上での協調行動の波及に関する理論研究では,Multiplex Networksという多階層構造の導入が協調行動の集団全体への波及に効果をもたらすという結果をシミュレーション分析によって得ている.この研究はInteraction DistanceとLearning Distanceという2種類の「社会的相互作用」に関する距離を導入した先行研究にMultiplex Networks構造を導入・拡張したものである. 2) Multiplex Networks構造上での情報の伝播・修正現象に関する理論研究では,多階層構造の導入によって情報の伝播と修正現象が複雑な時系列的な変化を示すことを,シミュレーション研究によって得ている.このモデルは単階層構造を使った先行研究のモデルを直接拡張したものであるが,先行研究とは異なりわれわれのモデルの挙動は複雑なものとなった.ただしこうした現象を生成するメカニズムについては未解明のまま残されている. これらの理論研究以外にも今年度は,学習者の身体的リズムと協調的活動の関係を実証的に突き止めるデータ分析も実施した.これらの成果はいくつかのカンファレンスで発表している.
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