2016 Fiscal Year Research-status Report
21世紀型スキルとしての認識論的コンピテンシを育む協調学習環境の研究開発
Project/Area Number |
16K12796
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
望月 俊男 専修大学, ネットワーク情報学部, 准教授 (50379468)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 純 静岡大学, 情報学部, 教授 (70281722)
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 協調学習 / 認識論的コンピテンシー / 複数文書の読解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目標は、協調学習を通して、知識(knowledge)や知ること(knowing)、学ぶこと(learning)に関する認識論的信念を変容し、知識創造実践を実現していくための「認識論的コンピテンシー」を育むために、それを適切に発揮しながら学習できる学習環境のデザイン原則を見いだすことにある。 その萌芽期の研究として、本研究は、(1) 複数人で協調しながら複数の論争的文書を読解するなかでどのように協調的に認識論的コンピテンシーを発揮するのかを明らかにすること、(2) その成果をもとに複数人で協調的に認識論的コンピテンシーを発揮できるようにするための教授的支援介入の方法について実践的に開発することを目標としている。 平成28年度は、海外動向調査を行うと共に、複数文書を用いた探究的な学習の過程で、どのように学習者や学習者集団が認識論的プロセス(epistemic process)を働かせていたかを実験的に分析することとした。海外動向については、Rutgers UniversityのClark Chinn教授と共同で調査を行い、計画の精緻化を行っている。また、これと並行して国内の大学および高等学校において複数文書を用いた学習過程のデータの取得を行い、その分析を行っている。研究成果の一部は、ヨーロッパ教授学習学会(European Association for Research on Learning and Instruction)のbi-annual conferenceに採択され、発表を行う予定である。また、日本教育工学会研究会において発表予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初大学の教育実践における個別学習過程のデータ入手と分析のみに焦点化していたが、専修大学の連携協定校との間で高等学校共通教科情報科向けの教育実践開発を行う中で、次年度以降に予定していた、複数文書の協調的読解プロセスのデータが入手できており、概ね順調に進行している。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の想定以上の数量の学習データが入手できているが、授業実践の都合上、紙ベースでの入手となっており、データ入力およびコーディングに学生等の協力を仰いで早急に進める。Clark Chinn教授らのチームとは年度前半は1ヶ月に1回程度の遠隔ミーティングを予定しており、連携により研究の精緻化・高度化をはかる。
|
Causes of Carryover |
海外共同研究を行っているClark Chinn教授のチームとのミーティング出張を当初予定していたが、それをSkype等を用いて行うことで経費節減と効率的活用に努めた。一方で授業実践研究を行う際にプリンタに故障が生じて教材印刷を印刷業者に依頼するなどしたため、結果的に中途半端な額が残ることとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
予想以上の量のデータが取得できたため、データの入力・管理・コーディング(分析)に人件費が必要となっているため、次年度その用途に充当する。
|
Research Products
(9 results)