2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of exhibits and educational effects of the memorial museums on Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident
Project/Area Number |
16K12813
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
後藤 忍 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (70334000)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 博物館教育学 / メモリアル博物館 / 原発事故 / ワークシート / テキスト・マイニング / 放射線副読本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,主に二つの研究を行った。すなわち,1)人災に関する教訓を伝える施設の見学用ワークシートに関する調査と独自のワークシートの作成,2)文部科学省の放射線副読本を対象としたテキスト・マイニングと福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」の展示説明文との比較,の二つである。 1)の研究については,福島原発事故に関する展示がある福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」と,四大公害に関する4つの公立の資料館(水俣市立水俣病資料館,新潟県立環境と人間のふれあい館,富山県立イタイイタイ病資料館,四日市市立四日市公害と環境未来館)を対象に,既存のワークシートの有無やその内容を調査した。結果として,a)コミュタン福島に関するワークシートでは,基礎的事項の確認や感想等の自由記述がほとんどで,被害発生の背景・原因,放射性物質に関する基準,子どもたちの印象に残りやすい映像展示に関する確認項目などは見られなかった,b)4つの公立の公害資料館では,3つで公式のワークシートがあり,2つでは汚染物質に関する基準についてのクイズがあった,などの特性が明らかになった。また,調査結果を踏まえて,原発事故の重要な教訓を学ぶための追加の見学用ワークシートを作成した。これらの内容について,日本環境教育学会で発表した。 2)の研究については,2018年に文部科学省が改訂した放射線副読本に関するテキスト・マイニングを行うとともに,コミュタン福島の展示説明文のテキスト・マイニングの結果と比較した。その結果,両者に共通する点として,ア)「放射線」が最も多く出現した,イ)「放射線」と共起する単語として,放射線の肯定的側面を表す「利用」や「使う」の単語が上位20位内に出現した,などの特徴が明らかになった。これらの内容について,教育に関する国際会議(ICTLE:The International Conference on Teaching, Learning and Education)で発表した。
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Research Products
(4 results)