2017 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural ecology of mangrove as a chemo-synthetic ecosystem: a research model using Lucinids as indicator
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16K12817
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
池口 明子 横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (20387905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40325353)
井上 智美 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 主任研究員 (80435578)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ツキガイ / マングローブ / 化学合成 / 硫黄 / 堆積環境 / 漁業 / 民族知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,フィリピン・パナイ島を対象として2回の現地調査をおこなった.5月調査1)パナイ島サピアン,およびエスタンシア市にてツキガイ類の生息環境調査.3つの深度からツキガイ生息地の採水をおこない,塩分,phを計測した.またパックテストにより硫黄濃度を計測した.堆積物は篩を用いて粒度分類した.2)採集者の生態知識調査.ツキガイ生息地の諸条件の認識,同所に産出する他種の認識,採集技術,採集される個体・個体群の特徴に関する認識,世帯・親族との知識共有について参与観察と聞き取り調査をおこなった.その結果,得られた具体的な知見は次のとおりである.1)サピアンの調査地ではシワツキガイとショウゴインツキガイ両種が産出し,前者は砂礫質の底質に多かった.両種とも生息深度は浅く,硫黄濃度では非産出地との顕著な差異はみられなかった.採集者は2-3か所の漁場で集中的に採集をおこない,複数の貝類を採集していた.2)エスタンシア市の生息環境では軟泥地に顕著な硫黄濃度が計測されたが,採水深度によって濃度は異なっていた.聞き取りから透水層となりうる基底礫層の存在が示唆されたが,現地調査では検出されなかった.このことから,ほかの採集地で追加調査をおこない,ツキガイ生息環境と採集技術の関係を検討することにした.12月の追加調査では,パナイ島アクランおよびギマラス島で主として堆積物の分析と採集活動の参与観察をおこなった.ギマラス島ではかつて生息孔の認識をせずに採掘する方式が報告されたが,現在ではエスタンシアと同様の採集方法が導入されていた.堆積物採取では礫層と思われる層が採取されており,現在粒度分析中である.以上のことからツキガイ生息深度,堆積物構造,水質とくに硫黄濃度の関係は直接的には漁場認識に反映されていないが,同所に産出する貝類やマングローブ樹種を通して間接的に結びついていることが示唆された.
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Carbon storage of mangrove ecosystems: estimated models and global maps applied their models.2017
Author(s)
Inoue T., Baba S., Ishihama F., Kawanishi A., Hayashi F., Ohshiro N., Kezuka M., Mochida Y., Chan H.T., Kainuma M., Kimura N., Yamano H., Kuwae T., Matsuda H.
Organizer
International Conference on Sustainable Mangrove Ecosystems
Int'l Joint Research / Invited
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