2017 Fiscal Year Research-status Report
冠雪活火山における火山-雪氷相互作用による突発的土砂輸送:噴火直前期の準備研究
Project/Area Number |
16K12846
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
片岡 香子 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (00378548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 高峰 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 特任准教授 (20374209)
河島 克久 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (40377205)
伊豫部 勉 京都大学, 工学研究科, 特定准教授 (50397155)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 融雪型火山泥流 / ラハール / 雪泥流 / 安達太良火山 / 吾妻火山 / 複合災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
冬期に積雪を伴う活火山では,噴火時の融雪型火山泥流や融雪期の降雨―融雪型(ROS)洪水など,突発的現象とその災害が懸念される.本研究では,噴火静穏期における火山土砂輸送の特性を理解することと,融雪型火山泥流を検討する際に必要な積雪特性を明らかにすることを目的とする. 本年度は,調査対象地域を福島県安達太良火山流域の酸川・長瀬川とした.積雪期・融雪期の気象・雪氷観測と解析については,前年度から引き続き,安達太良山沼尻登山口駐車場(標高1130m)に設置した観測機器を用いて行った.観測項目は,積雪深・気温・相対湿度・短波放射量(上下)・長波放射量(上下)・風向・風速・降水量とし,平成30年4月の時点まで支障なく,連続的なデータを得ることができている. 積雪期には,吾妻火山から安達太良火山にかけての複数の標高帯においてスノーサーベイ(積雪深・積雪重量・積雪断面観測)実施した.今冬期における積雪水量を見積もり,その標高依存性を検討した. 安達太良火山下流域の酸川および長瀬川において流量・土砂輸送量の水文観測を行った.酸川では水位について,また長瀬川では水位と濁度についてデータロガー付きのセンサーにより自記観測を行い,それらの時間変化をとらえた.また実際の河川流量・浮流土砂濃度・水質と機器測定値とのキャリブレーションおよびデータの回収のため,現地水文観測を実施したが,昨年度よりは実施回数が少なかった.水文観測時に採取した水試料は,室内において濾過し,浮流土砂量を測定した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くは自記観測であるため野外でのデータ採取は問題なく進んでいる.最終年度も同様に観測を進める.
|
Strategy for Future Research Activity |
安達太良火山流域の酸川でも濁度計を設置することで,上流・下流での変化を探る予定である.ただし,強酸性河川であることから,機器の故障等が懸念されるため,短期間の実施に留める可能性がある.
|
Causes of Carryover |
本年度の繰り越しは,野外調査回数がやや少なかったため生じた.最終年度は,重点的な野外調査と,自記装置のさらなる設置を行い,データを補強する計画である.
|