2017 Fiscal Year Research-status Report
間伐材と自律型極限計測センサを用いた土石流等の危険予測システムの研究
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16K12856
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
下井 信浩 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (10300542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 直行 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (00271891)
中正 和久 秋田県立大学, システム科学技術学部, 特任助教 (40780242) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スマートセンシング / センサ / 雪崩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、間伐材を用いた計測柵に簡易振動センサと簡易極限センサ等を設置した取付用金具を設計・製作し、土石流、落石、雪崩における小規模な発生状況を予兆現象として捉えることに挑戦した。また、災害発生の可能性および発生後の状態を認識するため、計測システムの有効性と性能等の評価を実施した。危険個所の管理者または地域の責任者が、迅速に危険個所を認識し速やかに住民の避難や救助および災害現場の復旧対応作業が可能になるように、これらの支援情報を提供できるシステムの構築を目標にしている。昨年度に製作したセンサユニットおよび間伐材による計測柵を用いて、研究所内試験における計測結果の基本特性について評価を実施した。評価試験では、荷力試験機による完全破壊までの計測柵およびセンサの基本特性について計測し検証を実施した。さらに、重錘落下衝撃試験による加速度計と簡易振動センサ(ボルト型振動センサ)の計測結果を確認した。 また、本研究の実装試験として1年間を通じたフィールド試験における現場で計測実験を行うために、計測場所を秋田県能代市二ツ井の山林に確保して計測柵を設置し、大容量データ通信の準備を実施した。 実装試験においては、年間の継続モニタリング及び計測器の耐久試験を実施する予定であり、得られたデ-タは計測柵の敷設箇所から約150Km 離れた大学のサ-バで取得する予定である。これらの計測結果を解析することにより、本計測システムの最終評価を実施したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試験結果により、センサ出力と落下エネルギーに予想していた正の相関関係が認められる。研究所内の室内における評価試験の結果と同様に、簡便なボルト型振動センサで落石の危険度を識別・判定することが可能であるかを検証した。また、ボルト型振動センサと加速度計を用いた衝撃測定においては、高性能の加速度計の値と比べても、ボルト型振動センサの計測性能は劣らない結果が得られている。この結果からボルト型振動センサを用いた簡易計測技術は、計測用電源を必要としない利便性や安価な計測装置とし、耐久性にも優れ実用的なセンサであると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、実装試験場所の降雪状況において、計測柵への積雪深および計測柵への影響を確認するための通信システムの設置を実施する。また、本研究で開発したセンサの基本性能の評価および信頼性向上のために、積雪深をレーザー変位計を用いて計測できるように計測柵と同じ箇所にセンサの追加設置を実施した。
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Research Products
(3 results)