2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of polyunsaturated fatty acids supplemented in medium on primary culture
Project/Area Number |
16K12864
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中村 孝夫 山形大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00142654)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 再生医工学 / 脂質 / 初代培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度得られた結果に基づき、ラット胎児から心筋細胞採取・単離してドコサヘキサエン酸(DHA: 5~30 μM)及びアラキドン酸(AA: 10~60 μM)の同時添加培養実験を行い、組織中脂肪酸分布、脂肪酸取込み量及び拍動能から最適混合条件を検討した。その結果、DHA 10 μMとAA 10~20 μM添加の場合に拍動能が最も高くなった。この濃度は、それぞれの単独添加時に最大拍動能が得られた濃度よりもどちらも低い値であって、単独添加時の最適濃度の合算では合計濃度が高くなりすぎて脂肪酸の細胞毒性の影響が生じたものと考えられた。また同時添加で得られた最大拍動能は、期待に反してDHA単独添加時のそれとほとんど変わらなかった。 これらの成果の一部は総説としてJ Pysiol Sciに発表した。また昨年6月と9月にそれぞれ第56回生体医工学会大会(仙台)及び第69回日本生物工学会大会(東京)で発表した。また今年6月のWorld Cong Med Physics Biomed Eng(Prague, Czech;採択済)及び第57回生体医工学会大会(札幌;採択済)でも発表予定である。 これと並行して、DHAもしくはAAの単独添加時における心筋培養細胞の遺伝子発現を非添加培養の場合と比較したところ、DHAでは培養期間全体にわたって心筋成熟マーカなどが亢進していた。一方AAでは培養初期に多くの成熟マーカや細胞接着因子の遺伝子発現が亢進したが、1日程度で差はみられなくなった。従って、得られた最大拍動能は同程度であったが、両脂肪酸の心筋細胞への作用機序は異なっている可能性が示唆された。 一方脂肪細胞培養では、上記多価不飽和脂肪酸を添加した培養でも無添加培養の場合と同様、残念ながら培養細胞が最終的に一般的な脂肪細胞とは異なる形態に変化することを抑制することは難しかった。従って単純な多価不飽和脂肪酸培地添加では、脂肪細胞の初代培養効率を上げることは難しいものと考えられた。
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Research Products
(5 results)