2016 Fiscal Year Research-status Report
力学刺激特異的バイオマーカーの探索に向けた細胞核変形模倣デバイスの開発
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16K12883
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
本田 義知 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (90547259)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 核 / 力学 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
力学的刺激による細胞核の変形は、遺伝子発現挙動に直結し細胞機能・分化を制御する。しかしながら、この細胞核の変形のみに応答するバイオマーカー(遺伝子)は殆ど明らかになっていない。本申請は、申請者らが独自に開発を進めている「大量の細胞核を強固に固定化しつつ定量的な伸展刺激をかけうる細胞核伸展シート」を完成させ、in vitroで力学刺激をうけた細胞核の変形を再現し、特異的バイオマーカー探索の基盤を築く事を目的とする。具体的には、2つの異なるシートの創製と、同シートを利用した細胞外転写反応系の確立を目指す。本デバイスが開発され、将来的にバイオマーカーが同定されれば、治療部位における力学刺激に対する細胞応答の詳細な解析に繋がり、メカノバイオロジーや再生医療等を大きく飛躍させる可能性を持つ。平成28年度は、一方の細胞核結合シートの作製と細胞核単離を試みた。細胞核結合シートの作製では、伸縮性に優れたポリジメチルシロキサン(PDMS)薄膜を定法で作製し、カルボキシル基を持つポリアクリル酸(PAA)の修飾を行い、Nano-CaPをコーティングした。Nano-CaPの結晶粒子径と凝集具合は、CaPの剥離のし易さや、力学的刺激受容時の粒子間で起こる破壊頻度に直結する。この課題にはナノ粒子コーティング法を応用しシートに固定化した。核の単離の予備的検討では、間葉系幹細胞と、市販の核抽出キットやRosnerらの方法を用いて、複数の方法で細胞核の単離を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞核結合用シートの作製と、核の単離に関する予備的検討がおおむね順調に行われれたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に則り、細胞核の結合、力学付与を行い、バイオマーカーの探索に移る。
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Causes of Carryover |
核単離実験で用いる試薬の入手に手間取ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
核単離実験の条件出しを継続し、細胞内に存在する核の状態に近似した核の単離を目指す。
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