2017 Fiscal Year Annual Research Report
Role of brain-derived neurotrophic factor expression in peripheral tissues
Project/Area Number |
16K12894
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
福地 守 高崎健康福祉大学, 薬学部, 准教授 (40432108)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | BDNF / ケラチノサイト / 脂肪組織 / ルシフェラーゼ / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ケラチノサイトにおけるBDNF遺伝子発現制御機構の解明 本年度は、マウスより調製した培養ケラチノサイトを用いて、BDNF遺伝子発現の変化を解析した。表皮は、内側より基底層、有棘層、顆粒層、角質層から構成され、基底層にあるケラチノサイトは分裂・分化を繰り返しながら、分化した細胞は上層へと移動する。そこで、増殖期のケラチノサイトおよびコンフルエントに達し増殖が停止したケラチノサイトの2種類を用いて、両者においてBDNFmRNA発現に変化が認められるか検討を行った。その結果、両者において有意な変化は認められなかった。したがって、ケラチノサイトの増殖・分化期においてBDNF遺伝子は恒常的に発現していることが明らかとなった。 (2)脂肪組織におけるBDNF遺伝子発現変化 BDNF遺伝子発現変化を発光により可視化可能なBDNF-Lucマウスを用いて、通常食または高脂肪食給餌下における腹部の発光強度を経時的に計測した。その結果、高脂肪食給餌下では時間依存的に腹部の発光強度が増加することが明らかとなった。さらに、高脂肪食から通常食に戻して同様に腹部の発光を計測したところ、増加した発光が減少していくことが明らかとなった。再び、高脂肪食に戻すと腹部の発光の増加が確認された。この時のマウスの体重は、高脂肪食給餌中において増加したことから、体重変化と腹部の発光が相関して変化することが明らかとなった。また、高脂肪食給餌下のマウスの脂肪組織では、BDNFmRNA発現が有意に増加することが明らかとなった。したがって、脂肪組織に高発現するBDNFは、肥満の病態形成や病態の進行と関連性があることが示唆された。
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