2016 Fiscal Year Research-status Report
シンプル且つ高機能なDNA/RNAキメラ型核酸アプタマーの技術基盤の構築
Project/Area Number |
16K12903
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
宮岸 真 国立研究開発法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究チーム長 (30323538)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 核酸アプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、核酸アプタマーの新規取得法として、次世代シークエンサーを用いたOne Step Selection法の開発を行っている。本申請では、この手法を用いたDNA/RNAキメラ型核酸アプタマーの基盤技術の開発研究を提案する。核酸アプタマーは大別してDNAアプタマーとRNAアプタマーがあるが、DNAアプタマーは安定であるが、認識能が乏しいこと、RNAアプタマーは認識能が高いが、ヌクレアーゼ等により壊れやすいことが大きな課題となっている。この問題を解決するために、本研究課題では、両者の長所を併せ持つ、認識能が高く生体内で安定なDNA/RNAキメラ型核酸アプタマーの技術基盤開発を行う。 初年度は、モデル系を用いて、DNA/RNAキメラ型核酸ライブラリーの設計に関する検討を行った。先ず、核酸ライブラリーとして、次の4つの17塩基の領域をランダム化したライブラリーを構築した。1)1塩基ごとにRNAを挿入するライブラリー、2)2塩基ごとにRNAを挿入するライブラリー、3)3塩基ごとにRNAを挿入するライブラリー、4)CUのみをRNAとするライブラリー。これらのライブラリーを用いて、ストレプトアビジンに対して、One Step Selection法によりセレクションを行い濃縮した配列を調べた。複数の濃縮していると考えられた配列を化学合成し、そのストレプトアビジンに対する結合能を調べたが、強い結合能を示す候補アプタマーは得られなかった。スクリーニングは計2回行ったが、いずれにおいても結合能を示すアプタマーは得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ポジティブコントロールとして、同時に行ったDNAライブラリーを用いたスクリーニングでは、知られているストレプトアビジンに対する核酸アプタマーの配列が濃縮されており、実験系自体はワークしていると考えている。 恐らくDNA/RNAのキメラにおいて、アプタマーとして働く構造ができにくいという本質的な問題か、DNAライブラリーに用いた場合とは違った条件でのスクリーニングが必要であるかの何れかの理由であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の可能性を明らかにするために、先ず、ストレプトアビジンのDNAアプタマーの一部分をランダム化RNAに置換した複数のライブラリーを新たに作成し、スクリーニングを行う。また、スクリーニングに行う条件は複数の異なる条件を用いる。 この実験によって、DNA/RNAキメラ型ライブラリーを用いたセレックスが実際に実現可能であり、合理的なものであるのかが明らかになると考えている。また、DNA/RNAキメラ型ライブラリーに合ったセレクション条件も見つかる可能性がある。
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Causes of Carryover |
少額のもので該当するものがなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に他の購入品に合わせて使用する。
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