2016 Fiscal Year Research-status Report
The visualization of microtissues using near-infrared fluorescence endoscope
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16K12921
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
宮本 義孝 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 細胞医療研究部, 研究員 (20425705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 紘正 日本大学, 総合科学研究所, 准教授 (00470005)
八木 透 東京工業大学, 工学院, 准教授 (90291096)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 医療機器 / 蛍光内視鏡 / リアルタイム可視化 / 再生医療 / 組織構築物 / 医療技術評価 / イメージング / システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蛍光内視鏡による再生・移植医療用細胞・組織構築物のリアルタイム可視化技術の構築を目的とした。具体的には、①蛍光物質等で標識した再生・移植医療用細胞・組織構築物の創製および可視化について検証する。次に、②組織表面・深部での、蛍光物質で標識した再生・移植医療用細胞・組織構築物のリアルタイムトラッキングの可能性・有用性を検証し、最終的には、近赤外蛍光内視鏡システム(診断・治療)を提案する。課題①②を達成するために、各専門分野(工学・医学)の研究者が相互に協力連携した。 1年目は、①蛍光内視鏡によるICG標識した細胞・組織構築物(スフェロイド)のリアルタイム可視化とその技術について検証した。蛍光色素であるインドシアニングリーン(ICG;ピーク 845 nm)は、安全に繰り返し利用できる薬剤であり、臨床で既に応用されている。まず、96ウェル培養プレート(Nunclon)上で、所定量のHepG2細胞を播種し、48~72時間培養した。得られたHepG2スフェロイドにICGを取り込ませ、ICG-HepG2スフェロイドを調製した。作製したICG-HepG2スフェロイドを蛍光顕微鏡下で観察できるか検証した。続いて、作製したICG-HepG2スフェロイドをブタ腹膜上に添加し、近赤外蛍光内視鏡下で可視化できるかを検証した。結果、蛍光顕微鏡下、作製したHepG2スフェロイドへのICGの取り込みが確認できた。続いて、ブタ腹膜上に作製したICG-HepG2スフェロイドを添加した。蛍光内視鏡の通常モードでは、ICG-HepG2スフェロイドが観察できないのに対して、蛍光モードでは高感度に観察することができた。ICGを用いることにより、生体組織の自家蛍光を排除すると共に、再生・移植医療用細胞・組織構築物を、近赤外領域で高感度に観察することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、蛍光内視鏡による再生・移植医療用細胞・組織構築物のリアルタイム可視化技術の構築を目的とする。1年目は、①蛍光物質(インドシアニングリーン:ICG)で標識した再生・移植医療用細胞・組織構築物の創製および可視化、②生体組織表面でのICGでのリアルタイムトラッキングの可能性について検証した。結果、①蛍光内視鏡によるICG標識した細胞・組織構築物の創製、および可視化に成功した。また、ICG以外の蛍光物質を封入した人工細胞モデルの構築にも成功した。②ブタ組織表面に、ICG標識した細胞・組織構築物を添加し、蛍光内視鏡下でのリアルタイム可視化に成功した。2年目は、当初の予定通り、①近赤外蛍光内視鏡用検出器の高感度化の検討、②蛍光内視鏡、および蛍光顕微鏡下(従来法)で蛍光標識した再生・移植医療用細胞・組織構築物のイメージング、③蛍光標識した再生・移植医療用細胞・組織構築物に対して、蛍光内視鏡を用いたリアルタイムイメージングについて検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目の研究の推進方策として、蛍光標識した再生・移植医療用細胞・組織構築物に対して、蛍光内視鏡下でのリアルタイム可視化の再現性、医療技術としての有効性評価を基本方策として研究を推進する。具体的には、1年目で得られた結果をもとに、組織表面でのリアルタイムイメージング、蛍光内視鏡下での再生・移植医療用細胞・組織構築物のミクロサイズ(約100-10,000細胞塊)の可視化やその検出限界等の評価項目設定から実験の有効性・再現性を検証し、医療技術として有益かどうか評価する。本研究は、連携研究者、研究協力者に参画いただき、相互に協力・連携しながら検証を進める。 本研究では、ヒト由来細胞および実験動物を用いた研究が予定されている。機関の外部委員を含めた倫理審査委員会において生命倫理、安全管理を厳重に審査する。倫理委員会の承認かつ実施施設の長の許可を得て、全ての研究を遂行する。実験動物を用いる研究については、国立成育医療研究センター動物実験指針に準拠して研究を実施する。特に、動物愛護と動物福祉の観点から実験動物使用は、目的に合致した最小限にとどめる。またその際、麻酔等手段により苦痛を与えない等の倫理的配慮をおこなう。
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Causes of Carryover |
昨年度、発注した物品が未だに納品されていない状況で、購入先(メーカー)の変更による実験結果の再現性の低下を避けたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の使用計画として、代替品を購入し、実験計画の作成および追試験を行う予定である。
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Research Products
(11 results)