2016 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム変異リスク軽減を目的とするnaive PSCsからの新規分化誘導法の開発
Project/Area Number |
16K12924
|
Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
西下 直希 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 難治性疾患治療開発・支援室, 研究調整専門員 (70564243)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | naive iPS / MSC様細胞 / 単一細胞由来分化誘導 / 単一細胞分析 / ゲノム変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
Human Cord Blood CD34陽性細胞をサイトカイン含有X-vivo10培地で2日間培養し、リプログラミング因子搭載センダイウイルスにInfectionした。遺伝子導入後の細胞にVTN-N, LN, FN混合ECMをコートした培養皿に播種後、5%O2低酸素で14-16日間培養。Feeder細胞上に細胞を再播種する事で、naive様dome shape-iPC細胞のコロニー形成を確認した。naive様dome shape-iPC細胞には、TRA1-60 陽性naive iPS (60P-naive)とTRA1-60 陰性 naive iPS (60N-naive) が存在し、この2種の細胞性状を解析した。60P-naive細胞は、in vitroと in vivoで多能性と自己複製能を示した。一方の60N-naive細胞は、多能性は有するが自己複製能は示さない事、さらにはin vivoのテラトーマ形成能も示さなかった。60P-naive細胞でのゲノム変異安定性評価は、P20以上の単一細胞の長期培養時には1番染色体に付加的染色体片のゲノム構造変異が5%程度存在する事を確認した。prime hPSCsのhot spot領域内でのゲノム変異状態と本試験結果を比較検証した結果、1番や21番染色体において、naive/prime細胞の両性状共に構造変異しやすいことがわかった。その他に関しては、prime細胞ほど多様なゲノム変異が認められなかった事から、60P-naiveの方が培養におけるゲノムの安定性が高い事が示唆された。次に、単一naive細胞を1wellに播種し、単一細胞からMSLC分化誘導を行った結果、正常なMSLC に分化誘導できた細胞は約50%であった。今後、単一naive iPS細胞を利用した分化誘導が、創薬分野のHTP技術に活用できると期待できる。
|