2017 Fiscal Year Research-status Report
fNIRSを用いて口蓋裂言語を光脳機能学的に解析する
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16K12927
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
児玉 泰光 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90419276)
大湊 麗 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (90648289)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口蓋裂 / fNIRS / 鼻咽腔閉鎖機能 / 構音障害 / 開鼻声 |
Outline of Annual Research Achievements |
fNIRSは、発展進歩した光学画像計測技術の1つで、非侵襲的脳機能マッピング法としてfMRI(functional MRI)とともに汎用されている脳機能解析装置である。物質透過性が高い780から880nmの近赤外線光は、頭皮上から大脳の表面に到達し、血液中におけるHbの光吸収特性を経て活動中の脳領域エネルギー代謝を映し、任意の様々なタスク(視覚負荷、筋肉荷重など)による脳エネルギー代謝を可視化することができる。fMRIに比べて運動時に賦活化される大脳皮質部位と活性化のタイミングを高い時間分解能で計測でき、自然な姿勢での動作時脳活動計測に優れ、被験者の拘束性が低い事、再現性が高い事、検査協力困難な症例(小児や乳児、有病者など)でその有効性が確認されている。これまで、健常被験者に下記に示す標準タスクを命じてfNIRS 測定を行う計画であったが、標準タスクの策定に難渋したため健常者における予備的計測は終了していない。難渋している原因は、ブローイングで頭位が動くこと、また、勢いをつけると上半身も動揺することがあげられる。そのため、計測結果が安定せず、構音検査時の計測段階に至っていない。当初、鼻咽腔閉鎖機能担当野が明らかにならなかった場合、標準タスクを見直し、単に強圧ブローイング、弱圧ブローイングで再度fNIRS実験を健常者で行う予定としており、タスクの簡略化により脳活動レベルが鋭敏に観察されることを期待し、次年度以降のデータ集積に努めたいと考えている。タスクの簡略化によって生じることが予想されるデータのばらつきに対しては、被験者サンプルを増やすことで解決予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の予定は異なり、再現性があり、かつ、鼻咽腔閉鎖機能の特徴を明確かつ迅速に抽出できる標準タスクの策定に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまの研究で鼻咽腔閉鎖機能担当野が明らかにならなかった場合、標準タスクを見直し、単に強圧ブローイング、弱圧ブローイングで再度fNIRS実験を健常者で行う計画としている。タスクの簡略化により脳活動レベルが鋭敏に観察されることが期待でき、次年度以降の研究遂行に支障が出ないと考えている。タスクの簡略化によって生じることが予想されるデータのばらつきに対しては、被験者サンプルを増やすことで解決を予定である。いずれにしても、早急に標準タスクを策定し、カタログ作りを急ぐ。
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Causes of Carryover |
(理由)当初の予定は異なり、再現性があり、かつ、鼻咽腔閉鎖機能の特徴を明確かつ迅速に抽出できる標準タスクの策定に難渋し、情報収集と予備解析を行う必要があった。
(使用計画)当初の予定は異なり、再現性があり、かつ、鼻咽腔閉鎖機能の特徴を明確かつ迅速に抽出できる暫定の標準タスクを用いて、健常被検者による計測カタログを策定する。
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