2017 Fiscal Year Research-status Report
力学刺激の減少に伴い起こる培養系筋萎縮は臨床の廃用性筋萎縮モデルになりうるか?
Project/Area Number |
16K12938
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
河上 敬介 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (60195047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 宣昌 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (20454762)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 理学療法 / 筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
廃用性筋萎縮に効果的な理学療法を解明するには、培養細胞を用いた廃用性筋萎縮モデルが不可欠である。薬物投与による培養筋萎縮モデルの報告はあるが、シグナルの一部を止めただけのモデルである。蛋白質分解・合成機構が絡む複雑なメカニズムを持つことが推測される臨床の廃用性筋萎縮のモデルとしては不十分であると考える。そこで本研究の目的は、臨床を模擬し、運動の脱負荷による培養筋萎縮モデルを確立させることにある。そして、本モデルがヒトや動物で起こる廃用性筋萎縮と同様の細胞内応答が起こるかどうか、異なる点はどこかを調べることにより、廃用性筋萎縮モデルになりうるかどうかを検証する。最終的には、いまだ不明な点の多い廃用性筋萎縮のメカニズムに迫るとともに、新しい理学療法の方策の検証へと萌芽させる。当該年度は、実験に適切な培養細胞による筋萎縮モデルの確立のために、筋培養細胞に活動負荷を与えた状態で培養した後、脱負荷状態に切り替えて培養し萎縮の形態学的検証を行った。ユビキチン-プロテアソーム系とオートファジー系との両蛋白質分解機構や合成機構が、本筋萎縮モデルで活性化しているかどうか、またそれが必須かどうかを明らかにする実験を加えた。その結果、昨年度おおむね明らかになってきた、モデルとして適切な活動負荷時間・強度・頻度、脱負荷時間と萎縮や肥大の変化との関係を確定させた。特に、昨年度明らかになった刺激強度に関してのコントロールに加え、刺激時間と急速時間とのサイクルが非常に重要であることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の目標であった、筋培養細胞に活動負荷を与えた状態で培養した後、脱負荷状態に切り替えて培養し萎縮の形態学的検証(モデルとして適切な活動負荷時間・強度・頻度、脱負荷時間と萎縮や肥大の変化)を組織学、生化学的に行った結果、その条件の中で、特に活動負荷時間や強度に加え、刺激時間と急速時間とのサイクルに関して判明したため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、実験に適切な培養細胞による筋萎縮モデルの確立のために、筋培養細胞に活動負荷を与えた状態で培養した後、脱負荷状態に切り替えて培養し萎縮の形態学的検証を行う。具体的には、モデルとして適切な活動負荷時間・強度・頻度、脱負荷時間と萎縮や肥大の変化を組織学的、生化学的に検証する。そして、本モデルが理学療法効果判定のモデルとして適当どうかを検証する。
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Causes of Carryover |
必要とする抗体2種の選定に時間がかかり、次年度購入となったため。購入が可能になりしだい、早急に購入する予定である。
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Research Products
(4 results)