2016 Fiscal Year Research-status Report
骨折治癒におけるテリパラチド+デノスマブの協調効果の検討
Project/Area Number |
16K12939
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
片岡 晶志 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (40301379)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | テリパラチド / デノスマブ / ラット / 骨折治癒 / 骨リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
①テリパラチド、デノスマブのラットチャンバーモデル内の移植骨に対する効果を見るために病理組織学検討と、組織形態計測による検討②ラット大腿骨難治性骨折治癒モデルにおけるテリパラチド、デノスマブの効果の検討をおこなった。 ①Sprague Dawleyラット 雄、10週齢、体重300g 48匹のうち24匹から移植骨(海面骨)を採取し-80℃に保存したのち、予定通りチャンバー設置を残りの24匹のラット両脛骨内側におこなった。テリパラチドとデノスマブを予定通り投与した。さらに手術2週間後に生理食塩水を皮下投与した8匹をコントロールとした。手術6週間後にチャンバー内の骨を摘出しH.E染色による病理組織標本を作製する。専用ソフト(analySIS FIVE)を用いてそれぞれ移植骨全体の面積、骨吸収領域の面積、骨形成領域の面積を求め、統計学的検討を行う。その結果、プレリミナリーではあるが予測した通りの結果が得られた。すなわちテリパラチド、デノスマブ投与群のチャンバー内移植骨の骨リモデリングは理想的に行われていた。 ②Sprague Dawleyラット 雄、10週齢、体重300g30匹に対して右後肢に骨折手術を行った。すなわち骨膜を骨折部より幅1cmにかけて剥離しKirschner鋼線(1.8mm)で逆行性に骨髄内に刺入し骨接合を行った。テリパラチド単独投与群1(1μg/kg週に5日投与)、テリパラチド単独投与群2(10μg/kg週に5日投与)、デノスマブ(10mg/kg)+テリパラチド、コントロールの4群に分けた。手術6週間後に右大腿骨を摘出し、軟X線撮影を2方向おこなった。病理組織学的な検討を脱灰・非脱灰標本でおこなった。その結果テリパラチドの1μg/kg、10μg/kg群で有意な結果を得た。これまでテリパラチドが200μg/kgなど大量投与の報告しかなかったので、貴重な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたラット大腿骨難治性骨折治癒モデルにおけるテリパラチド、デノスマブの効果の検討は平成29年に予定していたが、同時並行でおこなった。テリパラチドの少量投与で十分な効果が得られることが分かったので、予想以上に実験結果に明白は差がでると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
チャンバーモデルではプレリミナリーではあるが、良好な結果がでておりこれを確固たるものにすることを目標にする。移植骨の統計学的な評価をおこなう。さらに大腿骨骨折モデルでは今後は生体力学的試験をおこなって、骨折治癒の質の評価も行っていく予定である。テリパラチドおよびデノスマブを骨折治療における臨床応用にもっていくためにどうするかを考える。
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Causes of Carryover |
骨の解析にかかった費用が予想よりも安く済んだので約7万円の繰り越しとなった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでのラットの実験では、生後10週齢のオスのラットを使用し、予想した通りの結果を得た。今後は卵巣摘出したラット(閉経モデルを想定)を用いてこれまでの実験結果を検証したいと考えており、そのための費用としたい。
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