2016 Fiscal Year Research-status Report
薄くてしなやかな触覚センサの飛躍的高空間分解能化とタッチパネルの高機能化
Project/Area Number |
16K12946
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
笹川 和彦 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (50250676)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒューマンインターフェイス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,集積化に適する3方向応力を計測可能なセンシング構造を開発するとともに,面内測定部の各々を走査する測定回路と専用ソフトの開発を試み,以下の成果を得た。 1.集積センサ構造の開発 1か所で3方向応力を計測可能なセンシング構造を縦4か所×横4か所の計16か所に配置した集積センサ構造の開発を行った。3方向応力を計測するために感受材シートの上下面に直交するように設置する櫛目状電極の形状パターンを設計した。上部電極(行)は1本に3応力測定部全体をカバーする電極形状を4測定か所分接続したパターンとし,それに直交する下部電極(列)は1本に4測定か所の同じ応力測定部を接続したパターンとした。これにより4本の櫛目行電極と12本の櫛目列電極による48測定部のマトリックス配置となる。測定点1か所の大きさは約5mm角とし,約80μmの厚さでフレキシブルな集積化センサの開発に成功した。 2.集積センサの測定システムの構築 上部櫛目電極の1本,下部櫛目電極の1本を各々選択し,電源供給,A/D変換を行う専用の測定回路を設計・製作した。選択されなかった電極を介しての廻り込み電流による寄生回路形成の影響を排除するために,反転増幅器を利用した測定回路とした。もし,感受材料に面内の導電性が厚さ方向の導電性よりも大きい電気的異方性を有する場合にもこの回路が有効となる。せん断応力測定部に含まれる圧力による電気抵抗変化の影響を取り除き,せん断応力のみによる変化を抽出するため,回路からの出力電圧を取得した後にせん断応力のみによる電気抵抗変化を抽出するソフトウェアを開発した。集積化センサを駆動する専用の測定用回路とソフトウェアを開発し,測定システムの構築を行った。 さらに測定システムを用いた較正実験を行い,計測対象範囲の応力を計測可能であることを確認した。以上により,集積センサシステムの測定原理を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は,1か所で3方向応力を計測可能なセンシング構造を,縦2か所×横2か所の計4か所に配置した集積センサ構造(応力測定部は12か所)の開発を行う予定であったが,電極形状パターンの改良を重ねることによって,縦4か所×横4か所の計16か所(応力測定部は48か所)となる集積化に成功した。これは目標の4倍の高集積化となる。また,測定システムの構築についても,作製したセンサを同システムにより実際に駆動させ,較正実験を行い,理論通りの応力―出力電圧特性の獲得に成功している。よって,当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成29年度は,当初計画の通り,平成28年度に確立した集積システムの測定原理を発展させ,より微小なセンシング構造を作製することによって,縦16×横16か所の合計256か所で3方向応力が計測可能な(Ⅲ)高集積センシングシステムの作製を目指す。さらに,電極材料,感受材料,フレキシブル基板に透明な材料を用いてセンサを作製することにより,(Ⅳ)透明なセンシングシステムへの応用を試みる。以上により本研究の目的を達成する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 採血手技の運動および力覚の計測2016
Author(s)
其田雅人,笹川和彦,藤﨑和弘,森脇健司,萱場広之
Organizer
第43回日本臨床バイオメカニクス学会
Place of Presentation
北海道立道民活動センターかでる2・7,札幌市
Year and Date
2016-10-08 – 2016-10-09
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