2017 Fiscal Year Research-status Report
超音波画像を利用した新規無侵襲性筋力推定法開発の試み
Project/Area Number |
16K12953
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三秋 泰一 金沢大学, 保健学系, 准教授 (60251964)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 超音波 / 筋厚 / 筋輝度 / 最大筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:超音波画像から得られる量的および質的データに加え、性別、年齢、身体特性を変数に含む筋力の重回帰式を求めることを目的とした。 対象:神経学的、整形外科的疾患を有さない21~60歳の男女17名(男:9名 女:8名)とした。 方法:左肘屈筋群の超音波画像の撮像は、超音波装置Mylab25、7.5MHzリニア型プローブ(esaote社製)を用いた。筋の量的データとして筋厚を計測し、質的データとしてグレースケール分析により筋の反射強度(筋輝度)を求めた。求めた筋輝度からYoungらの補正式を用いて補正筋輝度を算出した。超音波画像の測定位置は肩峰と上腕骨外側上顆を結んだ中枢から60%の位置とした。画像解析には、解析ソフトImageJ(NIH)を用いた。左肘屈筋群の筋力測定は、ハンドヘルドダイナモメータμTasF-1(アニマ社)を用いて測定した。 統計処理:筋厚および筋輝度の再現性を確認するため級内相関係数を求めた。筋厚、筋輝度、性別、年齢、身長、体重を説明変数、最大筋力を目的変数として重回帰分析を行った。 結果:筋輝度と筋厚の級内相関係数は、それぞれ0.90、0.89であり、再現性が認められた。重回帰分析の結果、目的変数に最大筋力体重比、説明変数に身長、筋厚、補正筋輝度が抽出され、最大筋力体重比=0.0205354×筋厚平均値-0.001176×補正筋輝度平均値-0.00458×身長+1.015233の重回帰式が得られた。自由度調整済み決定係数は0.67であった。今回の結果より最大筋力は筋厚および筋輝度から推定できることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、21~60歳の健常成人17名(男:9名 女:8名)を対象として行った結果、比較的高い自由度調整済み決定係数(0.67)の筋輝度および筋厚を説明変数とした重回帰式が得られたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
最大筋力を目的変数とした重回帰分析の結果、自由度調整済み決定係数は0.67の重回帰式を得ることができ筋厚および筋厚を用いて十分最大筋力を推定することができるという結果を示すことができた。今回、説明変数として年齢が選択されなかったことは50歳以上の対象者が少なかったことが考えられ、これは予想していたことである。したがって、今後は、50歳以上の年齢層の対象者を増やして計画通り進めて行く。
|
Causes of Carryover |
論文執筆に時間がかかっているため掲載料や英文校正費などを使用していないため未使用額が生じた。平成30年度は論文掲載料、英文校正費、謝金、成果発表旅費などに使用する予定である。
|