2018 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between daily exercise and arithmetic in elementary school children
Project/Area Number |
16K12978
|
Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
宍戸 隆之 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40331962)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 小学生 / 日常運動 / 計算能力 / 心拍数 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は,2年間で収集したデータを整理し,学校毎に行った分析を参加者全体として整理し,マラソン週間の持久走中の心拍数の値から3群(心拍数が最大心拍数の80%以上,75%以上,75%未満)に分けて分析を試みた。学校の休み時間に4分間の持久走を実施する日と通常の休み時間の活動をする日の心拍数を測定し,その直後に算数の計算問題を解いてもらって,その正答率と計算スピードを測定するという試みである。その結果,持久走中の心拍数が高い児童群ほど,通常の休み時間の心拍数は低く,持久走中の心拍数が低い群の児童ほど,通常の休み時間の心拍数が高い傾向がみられた。また,群間に統計的な有意差は認められなかったが,休み時間(持久走か通常の休み時間)の直後に行った四則混合計算の計算スピードは,持久走中の心拍数が高い群ほど遅く,持久走中の心拍数が低い群ほど速い傾向がみられた。以上のことから,日常的に心拍数が高い児童ほど,持久走中の心拍数は低く,計算スピードも速くなっているため,日常的に休み時間に活発な児童(運動遊びをしている)ほど,計算能力も高い可能性が示唆された。 また,平成30年度は,日常運動中の心拍数について,休み時間ではなく,体育の授業中の運動(持久走4分間)についての心拍数を測定した。5年生を対象に,体育の授業で実施されている持久走4分間の心拍数を測定した。その結果,143.4bpmであり,学校現場では,学校行事で行われる休み時間のマラソン週間の持久走においても,体育の授業中の持久走であっても,時間は限られているが,中程度の運動強度の運動刺激が与えられている活動が行われていることが明らかとなった。しかしながら,学力向上と体力向上の大規模な介入研究においては,一日当たりの運動時間が2時間程度と長いため,学力と体力の向上のためには,毎日体育の授業を行うなど,新しいカリキュラムの在り方を検討しなければならないのかもしれない。
|