2017 Fiscal Year Annual Research Report
Children's poverty and art education-Pilot program(Art Excursion)practice-
Project/Area Number |
16K12981
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高橋 るみ子 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (50197191)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 子供の貧困 / 誰一人取り残さない世界 / 2倍楽しい遠足 / 鑑賞教室 / 公共文化施設 / 社会に開かれた教育課程 / コンテンポラリーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年は、本研究の目的(国際的にみても子供の貧困率が高い日本の学校と公共文化ホール等が,早急に取り組むことができる芸術教育のパイロット・プログラムの実践、及び、同じく子供の貧困率が高いルーマニアの芸術団体が取り組んでいるパイロット事業を参考にプログラムの開発)を達成するために、国内外で以下の実践研究に取り組んだ。 <国内>初年度に引き続き、「アート遠足」が,“文化芸術体験の貧困及び格差の是正”に資する有効な方法であり,学校や公共文化ホールが早急に取り組むことができる「貧困対策の推進」であることを実証するために、宮崎市民プラザ(新規)を含む4つの公共文化施設で「アート遠足ver.ダンス」を実践した。なお、当初は、県外はいわき芸術文化交流館アリオスを計画していたが変更し、昨年度に実施した坂本善三美術館(熊本県小国町)で実施した。 <海外>初年度に引き続き、多文化共生社会の実現に向けたアート・エディケーションのパイロット・プログラムに位置付け、シビウ(ルーマニア)の子供・青年劇場GONG劇場と連携・協力の下、現地校3校を対象に「アート遠足ver.ダンス」を実践した。 <その他>特筆すべき成果は2つ。1つは、連携・協力をお願いした公共文化施設が、「アート遠足」のデザイン(容易かつ負担が少ない)を実感し、アウトリーチ事業に代わる教育プログラムとして、また、劇場等に子供たちを招き入れる新しい教育プログラムとして評価しはじめたこと。他の一つは、「アート遠足」から、公共文化施設やアーティストができる「誰一人取り残さない世界」(SDGs)が見えてきたこと。課題は「アート遠足」の普及方法。当初はダイジェスト・ムービーの作成を考えていたが、学校や公共文化施設で誰もが気軽に手にとれるフォトブック『遠足の先にアートがある』を作成し、関係者・団体に配布した。
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