2017 Fiscal Year Research-status Report
運動に対する動機づけの増強効果が得られる集団の編成
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16K12982
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 勉 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (30452923)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動機づけ / ケーラー効果 / 小さな池の大きな魚効果 / 非意識 / 活性化 / 増強効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,動機づけを増強する集団の編成について実験を行った.4月から7月までは実験環境の構築と被験者の選定を行った.8月には日本体育学会第68回大会にて平成28年度に実施した実験結果を研究成果としてポスター発表した.10月からは,本実験を始めた.本実験では,能力別の集団編成は,そうでない集団編成よりも動機づけが高まるという小さな池の大きな魚効果の仮説を検証することと,低能力群の中に高能力者を含めた集団編成はそうでない集団編成よりも動機づけが高まるというケーラー効果の仮説を検証することを目的とした.大学生を被験者として、体力レベル別に集団を編成し、平成28年度と同様の漸進的ペース走の実験を行った.体力レベルの分類は、20m シャトルランテストの記録を基準として、上位群を高体力群、下位群を低体力群とした.被験者には,体力測定ではないため,力尽きるまで行う必要はないこと,快適さを維持できないところで止めて良いことを伝えた.平成28年度に漸進的ペース走の成績が動機づけの行動指標となり得ることが示されたため,実験課題の成績が良いほど,動機づけが高いとした.分析の結果,小さな池の大きな魚効果については仮説は支持されなかったが,ケーラー効果については仮説が支持された.前者の仮説については,実験条件が万端とは言えなかったため,再度,30年度に実験を行う予定である.また,後者の仮説については,エルゴメーター等,実験条件を工夫した研究へ発展させていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験を実施できた.一部の実験では予想通りの結果が得られなかったものの,その原因も把握できているため,研究の遂行に支障はない.平成30年度に計画している実験にも既に取り掛かっている.これまでに何の問題も生じていないため,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,まず,平成29年度で仮説が支持されなかった小さな池の大きな魚効果の再検証を試みる.ケーラー効果については,シャトルラン以外の運動課題でも実施してみる.8月には,平成29年度の研究成果を日本体育学会第69回大会にてポスター発表する.また,体育学会ではキーノートレクチャーとしての登壇もあるため,関連研究の展開と展望について発表する.同様に,10月には,日本スポーツ心理学会第45回大会にてポスター発表する.これらの計画を遂行するにあたり,心拍センサーの購入費,研究成果の発表旅費,実験補助アルバイト雇用費等を科研費から使用する予定である.
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