2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on Altruistic Behavior and Agglomeration Effect of Professional Sports Teams by Approach of Behavioral Ecpnomics
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16K12998
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福山 博文 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40409537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 徹 同志社大学, 商学部, 教授 (90309732)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 損失回避性 / スポーツ観戦行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度は,NPBのデータを使用してスポーツ観戦者の行動が損失回避性に基づくものなのか,それともUncertainty of Outcome仮説(以下,UOH)に基づくものなのかを検証した.損失回避性とは,プロスペクト理論(Kahneman & Tversky, 1979)の重要な性質で利益から得られる満足よりも同額の損失から被る苦痛の方を人間は大きく評価するというものである.もしスポーツ観戦者が損失回避性をもつならば,ある参照点(試合開始前におけるホームチームあるいは贔屓チームが勝利するだろう確率)を下にして,ホームチームが勝利したときに得る満足よりも敗戦したときに被る苦痛の方を彼らは強く感じる傾向が強くなるというものである.UOHとは,試合結果の不確実性が大きい方にスポーツ観戦者は興味や関心をもち,ホームチームの勝利する確率が0.5~0.6の間にあるようなときに観戦者の試合観戦からの満足が最も大きくなるというものである. 分析の結果,先行研究であるMLBのデータを用いて観戦者行動を検証したCoates, Humphreys, and Zhou (2014)が損失回避性をサポートしたのに対し,NPBのデータを使用した本章の分析ではUOHが成立することを明らかにした.分析の結果からMLB観戦者に比べてNPB観戦者の方が不確実性の高いゲームに強い関心を持つことが分かった.また,チーム別では,広島,福岡,埼玉,オリックスの4チームのファンは全サンプルを使った結果と整合的でUOHに基づいて行動する.その一方で阪神のファンだけは損失回避性に基づいて行動することが分かった.
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