2017 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of exercise on water absorption
Project/Area Number |
16K13013
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉本 直俊 金沢大学, 医学系, 准教授 (80272954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紫藤 治 島根大学, 医学部, 教授 (40175386)
谷内江 昭宏 金沢大学, 医学系, 教授 (40210281)
片倉 賢紀 城西大学, 薬学部, 准教授 (40383179)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 運動 / 水 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、日本体育協会などの取り組みにより、スポーツ活動中の熱中症は減少した。しかし、私たちはスポーツ活動中に水摂取を行っていたにも関わらず発生した重度の熱中症症例を経験し、水の消化管からの吸収不全が原因である可能性を見出した。スポーツ活動中は血流が筋肉へ配分される結果、消化管への血流は減少し、虚血となる。その結果、消化管の虚血による低酸素と運動による高体温にさらされることで、消化管の水吸収動態が変化したと考えられる。本研究では、運動による消化管水吸収への影響を解明するために、消化管組織での水輸送体である水チャネルの発現動態について明らかにする。平成29年度(最終年度)の取り組みと明らかになったことは、以下である。 (1)自発運動(輪回し)可能なラットの消化管組織では、vascular endothelial growth factor (VEGF)増加と血管新生が確認された。さらに、水チャネルの発現亢進も確認できた。 (2)低酸素刺激はVEGFを誘導し、炎症に関与するCOX2も誘導した。 (3)様々なストレスは炎症を生じることが知られているが、炎症を模倣した細胞実験系では、炎症により水輸送体である水チャネルの発現が亢進した。かつ、この亢進は炎症を阻害する阻害剤により、抑制した。 以上は、運動による血液の再分配が、消化管組織で一種の低酸素ストレスを引き起こし、低酸素ストレスが炎症もしくは炎症を模倣するかのように振る舞うことが示唆される。炎症は水チャネルの発現調節に強く関与していることが判明した。
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