2016 Fiscal Year Research-status Report
暑熱下運動+低酸素暴露によるEPO分泌増加-赤血球量・持久力増加の可能性-
Project/Area Number |
16K13020
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岡崎 和伸 大阪市立大学, 都市健康・スポーツ研究センター, 准教授 (70447754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 一成 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (60508258)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 低酸素 / 暑熱 / 血漿量 / 赤血球 / ヘモグロビン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「低酸素滞在時のエリスロポエチン(EPO)分泌は、暑熱下運動後の血漿量増加時には亢進する」という挑戦的仮説を立証することである。さらに、暑熱下運動と低酸素滞在を繰り返す“短期暑熱・低酸素インターバルトレーニング”は、赤血球量の増加とともに持久系競技パフォーマンスを向上するかどうかを検証する。今年度は、低酸素滞在時のEPO分泌は、暑熱下運動後の血漿量増加時には亢進することを立証する研究(研究①)を実施した。健常な若年男性7名を対象とし、暑熱下(気温36℃、相対湿度40%)運動試行、および、冷涼下(気温20℃、相対湿度40%)運動試行の2試行を実施した。両試行において、人工気候室において72分間の高強度インターバル運動を実施した。両試行において、運動23時間後から低酸素環境に4時間滞在した。低酸素環境は、酸素濃度14.4%(3000m相当高度)、気温28℃、相対湿度40%とし、椅座位安静を維持した。暑熱下および冷涼下運動時、および、低酸素環境滞在時に、心電図、心拍数、上腕動脈血圧、動脈血酸素飽和度を測定した。また、暑熱下および冷涼下運動時には食道温および皮膚温(前腕、上腕、胸、上背、大腿、下腿)を測定した。暑熱下および冷涼下運動の開始前、低酸素環境滞在前、2時間後、および4時間後において、椅座位安静時に肘正中静脈より採血した。その結果、暑熱下運動時には冷涼下運動時に比べて、血漿量が有意に上昇し低酸素滞在4時間後のEPO分泌が亢進する傾向を示した。この結果は、本研究の仮説を支持する。本研究の結果から、暑熱・低酸素環境のトレーニング応用の有効性とその生理学的根拠が提示され、スポーツの現場で即応用可能な赤血球量増加および持久系競技パフォーマンス向上法が提示されることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に沿って研究を遂行し、当初の研究目的を概ね達成した。得られた研究成果から、「低酸素滞在時のエリスロポエチン(EPO)分泌は、暑熱下運動後の血漿量増加時には亢進する」という仮説を支持する結果を得た。以上、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究実施計画に沿って研究を遂行する。次年度は、研究①を完了し研究発表および論文発表を進めるとともに、暑熱下運動と低酸素滞在を繰り返す“短期暑熱・低酸素インターバルトレーニング”は、赤血球量の増加とともに持久系競技パフォーマンスを向上することを実証する研究(研究②)を遂行する。
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Research Products
(13 results)