2017 Fiscal Year Research-status Report
スマートフォンアプリによる学生のメンタルヘルスケア向上に関する実証研究
Project/Area Number |
16K13031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶谷 康介 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (10597272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 晃介 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30735121)
金 大雄 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (90346859)
福盛 英明 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40304844)
松下 智子 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40618071)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スマートフォン / メンタルヘルス / 大学生 / アプリ / ユーザビリティ / ログ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学生のメンタルヘルスケアに有用なスマートフォンアプリをユーザービリティの観点から開発し、このアプリケーションによって大学生のメンタルヘルスを向上させることにある。H29年度の研究成果としては、1.プロトタイプアプリ(試作品)を用いた予備研究に基づきアプリケーションのコンテンツやデザインのブラッシュアップを行なった、2.大学生のメンタルヘルスに関するスマートフォンアプリの意識調査を行った、3.研究の途中経過を論文や学会にて報告した、以上の3点があげられる。ブラッシュアップについては、ユーザーの使用感を改善する目的で入力方法をスワイプ形式にしたり、未入力の場合はプッシュ通知する機能を実装したりした。また継続的な使用を促すため、カレンダーに記録した日付に「スタンプ」が押せる機能を実装した。プロトタイプアプリを使用していない1年生を対象とした意識調査の中で、大学生にとってメンタルヘルスをチェックするアプリが必要か否かをたずねたところ、「とても必要」「必要」と答えた学生は全体の46.9%であったのに対し、回答者自身にとって必要か否かについては、「とても必要」「必要」と答えた学生は全体の28.1%であった。一方、プロトタイプアプリを使用した学生においては、大学生にとってメンタルヘルスをチェックするアプリの必要性について「とても必要」「必要」と答えた学生は全体の85.0%であったのに対し、回答者自身にとって必要か否かについては、「とても必要」「必要」と答えた学生は全体の55.0%を占めた。この結果、スマートフォンアプリの使用によって、学生のヘルスリテラシーを変えられる可能性が示唆された。研究報告については、論文として健康科学系雑誌「健康科学」に報告し、また学会等発表では「健康支援学会」や「九州大学高等研究院・九州先端科学技術研究所研究交流会」等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時の計画としてH29年度の研究目標は、1.アプリ使用の実態調査、2.プロトタイプアプリの作成、3.プロトタイプによる実証研究、4.実証研究に基づくアプリのブラッシュアップ、の4点を挙げていた。H29年度においてはこの4点のいずれも終了しており、現在実証研究に基づき本アプリを鋭意作成中である。しかし、アプリ機能の中でも診断機能に関してはプログラミングが若干遅れているため、外部企業にプログラムの一部を委託している。また研究成果としても、本研究に直接関係のある報告を論文2報、学会発表4報において行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度は予定通り、アプリケーションを完成し、学生を対象とした実証研究を行う予定である。アプリケーションは予定としてはH30年8月に完成予定である。実証研究に関しては9-10月を予定している。また、本研究を拡張させる目的で地方自治体との協力や、他大学との連携を検討する。また、H31年度以降の計画として、ウェアラブル端末やスマートスピーカーとの連動も検討中である。
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Causes of Carryover |
(理由)次年度に使用額が生じた理由は、1.サーバーをレンタルサーバーにしたことで経費が節約できた、2.プログラムのアルバイトが見つからなかった、3.企業に委託したプログラムの一部の納入が次年度にずれ込んだ、4.参加を予定した学会に参加できなかった、などが挙げられる。 (使用計画)次年度使用額は、1.プログラムのアルバイトの増員、2.プログラムの外部委託、3.学会参加費、などの費用へ充てる予定である。
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