2016 Fiscal Year Research-status Report
複数の大規模コホートを用いた寿命および非感染性疾患罹患予測モデルの構築
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16K13037
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
丸藤 祐子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部, 研究員 (60613932)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 全身持久力 / 高血圧 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、コホートデータの変数リストを作成し、予測モデルに必要な説明変数および潜在的な予測因子を抽出し、コホートデータの整備を実施した。9221人の労働者を23年間追跡したコホートにおいて、疾患者情報を確認し、既往歴・現病歴、血液検査結果、血圧測定結果から、糖尿病・脂質異常症・高血圧の罹患年を特定した。55347人の人間ドック受診者を6年間追跡したコホートにおいても同様に、疾患者情報を確認し、既往歴・現病歴、血液検査結果、血圧測定結果から、糖尿病・脂質異常症・高血圧の罹患年を特定した。1125人の地域住民を追跡した研究室ベースのコホートにおいては、高血圧・循環器疾患のサロゲートマーカーとなる動脈スティフネスの評価を実施し、追跡期間中の動脈壁硬化度の進行率を算出した。 研究室ベースのコホートからは、体力の中でも全身持久力が動脈壁硬化度の進行率と関連することを縦断的に明らかにした。全身持久力が低い群では、2年間当たりの動脈壁硬化度(baPWV)の上昇は、28.8±7.6cm/secであったのに対して、全身持久力が高い群では、-1.4±7.5cm/secであった。 動脈壁硬化度の進行は、高血圧を引き起こす原因の一つであるため、労働者コホートにおいて、全身持久力と高血圧罹患率の関係を調査した。全身持久力から対象者を四分位に分類し、高血圧罹患率を比較した。その結果、全身持久力が最も低い群と比較すると、最も高い群では38%高血圧罹患リスクが低いことが明らかとなった。 本年度は、主に体力の中でも全身持久力に焦点をあて、高血圧罹患の予測モデル構築のための解析を実施したが、今後は他の体力および疾病罹患との関連を明らかにし、予測モデル構築にむけた解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた計画を遂行できている。研究を遂行する上での問題も起きていない。次年度の研究までは進んでいないため、計画以上に進展している状況とは言えない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、予定していた残りの研究を進め、データ整備・分析を行うことである。これまでは予定通りに進んでおり、研究計画の変更の必要はない。
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Causes of Carryover |
物品および英文校正について、今年度ではなく次年度の発注がふさわしいと判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品および英文校正について、次年度に発注・納品する。
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Research Products
(3 results)