2017 Fiscal Year Research-status Report
小型ヒューマノイドを使った自己動作モニタリングによる運動訓練支援システムの開発
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16K13063
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
中井 敏晴 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 神経情報画像開発研究室, 室長 (30344170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 あゆ子 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部 生活学科食物専攻, 准教授 (50463203)
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70311032)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 運動訓練システム / 運動表象符号化 / Neurofeedback / fMRI / 小型ヒューマノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は小型ヒューマノイド制御方法の改良に反映させる方略を検討するために高精度のモーションキャプチャを使ってインストラクタの動作に対して3次元軌跡の測定を行ない健康体操において動作の基本動作10パタン抽出した。リアルタイムfMRIを使って小型ヒューマノイドの映像を使った視覚フィードバック情報(Visual NF)が実際に運動学習に及ぼす効果を解析し、感覚統合に関わる側頭頭頂葉領域(Salience Network)の活動がVisual NF無しの条件に比べて早期に強く現れ、かつ縮退する現象を見出した。この結果は小型ヒューマノイドによるVisual NFが運動学習の効率を高める可能性を示唆している。また、高齢被験者を対象として実際の動作による印象評価実験(HRI)を実施し、自己動作表象を使ったVisual NFの社会実装方略を検討した。その結果、モチベーションに対するポジティブな効果が期待できることが判明した。一方で、運動開始直後の操作性に対する印象がモチベーションに影響する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の想定に沿った進捗状況である。本年度は自己動作モニタによる視覚NFを使ったシステムのプロトタイプを使った実証実験に着手し予備実験のデータをまとめた。健康体操を素材として測定に用いる要素動作を決定し、個々の被験者を評価するための指標を完成した。これらの成果を学会報告するとともに、国際誌(Frontiers in Human Neuroscience, 2018, in press)で成果普及を行なった。現在、判別分析の方法を改良してより身体座標系の感覚に適合したVisual NFの評価を進めているところである。また、協力者である健康体操教室の指導者を対象とした運動神経科学をテーマとした講習会を実施し、研究成果の一部の紹介を行なって社会実装に向けた整備を進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度は以下の事項を中心に本研究の取りまとめを進める。健康体操指導者の基本動作軌跡を指標としたHRIの本実験を行い、改良を進めてきた自己動作参照による健康体操支援法の評価を実施して結果を取りまとめる。現在進めている改良版の脳機能計測結果の解析を進め高齢被験者から収集したデータを若年者と比較し、神経基盤の観点から自己動作参照による効果を説明する神経生理学的な分析を行なう。特に身体座標系の認知プロセスに注目し動作のコーディングが最適化される機序を検討する。健康体操の指導者の意見も踏まえながらHRIの分析結果により健康体操の継続性や心理的なポジティビティ効果の評価を現場の指導に活かす社会実装方略を提案する。
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Causes of Carryover |
(理由) 当初計画していた出張回数に対し、実施した回数が少なかった。 (使用計画) 研究打合せ及び研究成果発表のための旅費,実験データの整理に使用。
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Research Products
(8 results)