2016 Fiscal Year Research-status Report
子どもの力で学校・地域のサニテーションを変える:アフリカ都市スラムの挑戦
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16K13064
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 子ども / 都市 / サニテーション / アフリカ / スラム / 住民参加型調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度であるため、1.調査地・対象者の選定ならびに関連組織の関係者への説明、調査協力依頼を行った。2.また調査項目について方法論の確認と検討を行った。3.予備調査を実施した。以下、それぞれについて簡潔に説明する。 1.カウンターパートであるザンビア大学の研究者とザンビア共和国の首都ルサカ市の未計画居住地区(コンパウンド)を巡回・訪問し、調査対象地として3地区を選定した。対象地区の小学校、病院、若者団体(ユース・グループ)の関係者に調査研究内容を説明して研究協力を要請し、内諾を得た。対象地区内を歩き、住民の生活の様子、側溝や川の汚染状況、空き地のゴミ投棄、公衆トイレの衛生状況、設備状況を視察した。ルサカ市の排水処理施設を見学し、ザンビア共和国の下水処理システムについて説明を受け、行政が抱えるサニテーションの課題について理解した。 2.調査方法論の確認と検討を行った。具体的には、1)健康と栄養状態について:身体計測ならびに測定データの分析方法、評価に使用するリファレンス(標準成長曲線)の検討(WHOまたは米国CDC、国際肥満タスクフォース)、食事調査(24時間思い出し法および食物摂取頻度調査法の方法論の確認と検討、2)参加型アクション・リサーチについて関連分野の先行研究を整理した。 3.318名(8~89歳)の住民について聞き取り調査を行い、自身が居住するコミュニティー(コンパウンド)の飲用水、排水、ゴミ、トイレなどサニテーションに関する意識について基礎データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた、3点(1.調査地・対象者の選定ならびに関連組織の関係者への説明、調査協力依頼、2.調査項目について方法論の確認と検討、3.300名以上の住民を対象としたサニテーション、飲み水、ゴミ・排水処理に関する予備調査)について実施し、期待通りの成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたるH29年度は、現地アシスタントおよび現地の協力者に各種の測定ならびに調査についてトレーニングを行い、小学生と現地の若者(ユース・グループ)を対象として第1回目のアクション・リサーチを実施する。
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Causes of Carryover |
論文の英文校正費を予定していたが、論文が完成せず、5万円強を次年度に繰越することになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の5万円強は、英文論文の校正費用として使途する予定である。
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Research Products
(5 results)