2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 照男 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (40553756)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 読み書き / 発達 / 脳構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、小学生のひらがな、カタカナ、漢字の読み書き得点と脳構造の関係を、磁気共鳴画像法を用いて検討している。各学年20名で120名のデータ取得を目標とし、初年度は70名、本年度は最終的に50名のデータを取得した。 読み書きの成績を検討した結果、ひらがな、カタナカ、漢字が入った文章における読みの流暢性と、漢字の書きの成績が最も分散が大きいことが明らかになった。他の成績は分散が小さく、脳構造との関係性に明白な傾向が期待できないため、上記の2つの成績と脳構造の関係を検討することとした。また、各学年において標準化してある読み書き検査を用いているため、発達的変化が検出されにくく、今回のデータにおいては年齢横断的な検討は難しいことが示された。 一方で、その読み書き検査は読み書き障害のスクリーニングを目的としたものであるため、読み書き障害児と定型発達児を峻別する検査としては有用である。そこで、本研究において読み書きに問題がないと判断された子どもと、その検査により読み書き障害児と診断された子どもの脳構造の差異を検討する研究へ発展をさせることができた。その結果、灰白質容量に差は無いが、皮質-小脳領域の白質容量が読み書き障害児において低下していることが明らかになった。皮質-小脳領域の白質容量低下は、流暢な読みに必要な複数のスキルの獲得に関わる神経連絡の弱さを反映していると考えられた。その成果を国内学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ取得が少し遅れたことに加え、読み書き検査における成績の個人差が小さく、結果の解釈に時間がかかっている。解析方法等を変更して継続中であるが、計画はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ取得は終了しているため、データ解析を行い、成果発表を行う。
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Causes of Carryover |
データ解析が遅れており、成果発表費用が必要である。
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