2018 Fiscal Year Annual Research Report
Basic Empirical Research on Physical Fitness and Sport Inequality of Children
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16K13066
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 紀宏 筑波大学, 体育系, 教授 (50196531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 准教授 (50422209)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 体力・スポーツ格差 / 子どもの貧困 / 社会経済的条件 / 運動・スポ―習慣 / 文化資本 / スポーツ投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、スポーツの産業化や受益者負担化が進行する昨今の状況の下で、子どもの体力及び運動習慣が、家庭の社会経済的条件の影響をどのように受けているのかを検証することで体力・スポーツ格差の実態を明らかにするとともに、そうした格差が子どもたちの学校生活や社会関係にどのような不利を生んでいるのかを明らかにした。 本研究では、大別して2種類のデータを収集した。1つは、平成30年2月~3月に岐阜県T市の子ども(小学校5年生以上の児童及び中学生)4577名と保護者(幼稚園・保育園、小学校全学年、中学校全学年)9226名を対象に実施したアンケート調査、もう一つは各教育機関で実施され保管されている体格・体力・運動能力の個人データである。アンケート調査の内容は、家庭の社会経済的条件、教育資本、文化資本、スポーツ資本、子どものスポーツ習慣、学校適応、休み時間の過ごし方、友人の数、生活必需品意識等であった。 本研究の主要な結果は以下の通りである。 (1)本研究の調査対象にも家庭の社会経済的条件による学力格差が確認された。また、子どもの学力と体力との関連が認められ、この傾向は学年を上がるにつれて強くなっていた。(2)子どもの生活必需品調査の結果、「友だちとスポーツをすること」「好きなスポーツをすること」は現代の保護者にとって必需財と捉えられていた。また、「スポーツができること」は高学年男子においてクラスの人気者の条件の第1位、女子では第2位であった。(3)スポーツが嫌いな者、苦手な者、低体力の者は、好きな者、得意な者、体力の高い者に比べて、学校生活が孤独で満足感・適応感が低かった。(4)すべての学校段階・学年段階において、世帯収入及び学校外スポーツ費による有意な差が認められ、かつ、その差は学年進行に伴い拡大していた。以上のことから、社会経済的要因が子どもの体力を規定していることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)