2016 Fiscal Year Research-status Report
唾液中の炎症マーカーから子どもの腰痛を予測できるか?
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16K13068
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
秋間 広 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (40292841)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 唾液 / 炎症性マーカ / 超音波断層装置 / 筋エコー強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人を対象とした調査では,腰痛は最上位にランクされる疾病であるが,20 歳以下の子どもにおいても腰痛が増加してきている(Sjolie et al. 2004).腰痛の原因の一つに運動不足が挙げられる.運動不足は腰部にある多裂筋(脊椎の安定に寄与)の萎縮と筋内脂肪の増加を生じさせ,脊椎骨の不安定性を引き起こす.また,体内では筋分解に起因した炎症マーカーが増加する.本研究の目的は運動不足によって引き起こされた炎症マーカーを唾液から検出して,筋組成,姿勢アライメントおよび身体活動量などのデータと組み合わせ,子どもの将来的な腰痛発症の予想を試みることである.将来的には唾液の炎症性マーカから子どもにおける腰痛のなりやすさなどを推定することが最終的な目標となる. 今年度は当初の計画通り,中学1,2年生25名を被検者として用いた.被検者の唾液を採取し,炎症性マーカを測定した.座位姿勢をデジタルカメラによって撮影して,バイオメカニクス的な観点から姿勢の評価を行った.超音波断層装置を用いて脊柱起立筋の横断像を撮影した.得られた横断像から脊柱起立筋の筋厚,皮下脂肪厚,および筋エコー強度(画像の濃淡)から筋内脂肪指標を算出した.これらのデータは現在分析中である. さらに唾液から測定された炎症性マーカが血液における炎症性マーカとどの程度関係するのかについて調べるため,成人男性22名を用いて,同一人物より唾液と血液を採取して,その関係性について検討する予定であるが.これについても現在分析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた通り,12歳および13歳の計25名の子どもにおける唾液と超音波断層装置による腰部後面の筋形態(皮下脂肪厚および筋厚)および筋内脂肪の指標となる筋エコー強度を測定することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては,昨年度に実験を行った子ども達の経年変化について行うことである.昨年度に実験を行った子どもたちは今年度は中学1,2年生で,今年度は中学2,3年生となる.3年生については受験との兼ね合いもあるので,継続実験が可能であるかは難しい部分ではある.また,新1年生を新たに被検者として動員する予定であり,2年目の継続の被検者と新たな被検者を加えて実験を進めて行く予定である.
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