2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Clinical Study for Understanding the Actual Situation and Qualitative Improvement for Student Volunteer Activities in Orphanages
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16K13073
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (00331679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜治 龍谷大学, 文学部, 教授 (90351329)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 児童養護施設 / 子どもの養育環境の改善 / 学生ボランティア活動の実態把握 / ボランティア活動の質的向上 / ボランティア活動の事例検討 / ボランティア活動における関係性 / フィールド実践研究 / 心理社会的地域支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全国の児童養護施設における学生ボランティア活動の実態を把握するとともに、学生ボランティア活動を質的に向上していくために必要な要点とは何かを明らかにすることを目的としている。 研究方法は、第1に、全国の児童養護施設に対して質問紙を配布し、学生ボランティア活動についての実態調査を行った。第2に、学生がボランティア活動を通して直面した問題を取り上げ、施設心理士に相談した内容について事例検討を行った。 その結果、学生ボランティアに対する期待は高く、活動の体制が整えれば取り入れることを考える施設が96%に及んだ。学生ボランティアが入ることの肯定的影響として、子どもに個別的関わりを提供し、よいモデルになってもらえる、施設職員に活力を与えるなどの意見があった。一方、否定的影響として、学生らが関わることで、子どもの落ち着きがなくなる、施設職員の仕事が増えて負担になるなどの意見がみられた。その他、ボランティア担当の職員を配置する、施設職員がボランティアについて理解を深める、交通費補助の行政的対応が必要であり、ボランティアが入るための体制づくりが望まれる。また学生には礼儀、マナー、人間的資質が求められ、学生が事前に持つべき専門性として、①子どもの発達に応じた特徴の理解、②傾聴や共感の基本的姿勢、③施設で暮らす子どもの心理、特に虐待の影響や家族への思いへの理解、④発達上の課題をもった子どもの心理、⑤子どもの心の状態に応じた声かけや関わり方の工夫などの知識や技能が必要なことが明らかとなった。
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Remarks |
ホームページの問い合わせページから申請(名前と発送先等)すると、本研究の研究成果報告書を郵送することが可能である。
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Research Products
(3 results)