2017 Fiscal Year Research-status Report
放課後児童クラブの指導員への効果的なコンサルテーションのあり方に関する研究
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16K13075
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
佐藤 正恵 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (00211946)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放課後児童クラブ / 支援員 / 支援方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
放課後児童クラブ(以下クラブと記す)の支援員に対する効果的、効率的なコンサルテーションの方法を見い出すことを目的に、支援員個人に、a)対面(巡回)、b)Eメール、c)スカイプの3種類の方法によるコンサルテーションを実施した。毎回コンサルテーションの前後に感情評価尺度に記入してもらい、研究期間(約9ヵ月)終了前後に自己効力感尺度を実施した。また、研究期間終了後、各方法の利用のしやすさ、問題解決度、満足感などをインタヴュー調査した。対象者は、宮城県内沿岸にある3カ所(震災の直接的被害あり)、内陸にある1カ所(直接的被害なし)のクラブに所属する計8名の支援員であった。 現在までの分析でわかったことは以下である。①b)Eメールについては、支援員にメールを書く時間がない、あるいはメール記述に不慣れであるなどの理由で、寄せられた相談は1件しかなかった。現在の労働条件下では、メールは相談方法としては支援員の負担が大きい可能性が示唆された。②感情評価尺度の変動の仕方には個人差があるものの、a)対面、c)スカイプとも、コンサルテーション後には肯定的感情が高くなり、否定的感情は低下するという変化が認められた。③事例検討会などクラブへの集団支援(巡回)の強い要望があったため、それも加えて検討したところ、実施後の肯定的感情尺度の得点増加が最も高く、支援効果の大きさが示唆された。集団討議により、問題への理解や支援員間の関係性が深まり、満足感も高まった可能性があるが、スカイプによる遠隔手法でも同じような効果が得られるか検討する価値がある。④沿岸(震災の直接的影響あり)と内陸(直接的被害なし)のクラブ間に、相談内容の大きな違いは見られなかったが、前者には被災した子どもが多く、支援員は保護者支援などに配慮している様子が伺えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は4カ所、計12名を予定していたが、3カ所、8名という状況となった。支援員がパソコンの扱いに慣れていない現状があり、協力してくれるクラブや対象者を見いだすのに時間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は支援員の悩み(問題)別に、より利用しやすいコンサルテーションのあり方を検討したい。対象とするクラブは、現在まで協力を得てきたところを基本とし、数カ所増やす予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 「旅費」や「その他」の経費に予算未消化が生じたためである。約2万円と多額ではないので、次年度に繰り越して使用する予定である。
(使用計画) 学会参加等の旅費10万円(2回程度)、その他37万円(モバイル通信端末・定額SIMカード5カ所分、報告書郵送代等)、宮城県内の児童クラブに郵送する報告書作成のための物品約5万円(印刷用紙、インク、文具等)の予定である。
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