2018 Fiscal Year Research-status Report
放課後児童クラブの指導員への効果的なコンサルテーションのあり方に関する研究
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16K13075
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
佐藤 正恵 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (00211946)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放課後児童クラブ / 支援員 / 支援方法 / 遠隔手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
宮城県内の放課後児童クラブの支援員に対する効果的なコンサルテーション方法を見いだすことを目的に、支援員個人に a)対面(巡回)、b)スカイプ、c)Eメール によるコンサルテーションを実施した。いずれも毎回実施前後に感情評価尺度、実施期間前後に自己効力感尺度に記入してもらった。また、実施期間終了後に各方法の利用のしやすさ、満足感などをインタビュー調査した。対象者はH29-30年度合計で14人(H29年度3クラブ、H30年度5クラブ)で、コンサルテーション総実施回数は37回であった(1~2ヶ月に1回程度)。 感情評価尺度の統計分析の結果、対面、スカイプとも得点に有意差はなく、いすれもコンサルテーション後に肯定的感情が有意に高まり、否定的感情が有意に低下するという結果が得られた。また、否定的感情と自己効力感には負の相関傾向があることも示された。東日本大震災の直接的被害を受けた沿岸地域のクラブとそうでない内陸地域のクラブの相談内容では、沿岸地域のクラブの方が「発達的に気になる」「虐待関連」「家族や保護者の問題」が有意に多かった。また、子どもや保護者の抱える問題の背景に震災の影響があるケースもあり、これらは対面(巡回)の方が相談しやすい(相談回数が多い)という結果であった。 対面、スカイプ、Eメールの3者の利用のしやすさや、相談の内容別に望まれる相談形態についてはさらに分析中である。ただし、Eメールによる相談は、支援員の置かれた多忙な労働環境の中ではメールを書く時間がない、不慣れであるなどの理由によって極めて少なかったため、現時点では利用しにくい手段であることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特にEメールについて、相談件数が極めて少なく現在もデータを収集中であり、それに伴い、研究全体のまとめ、および各クラブへの研究結果のフィードバックができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
数は少ないと想定されるものの、できる範囲でEメールによる相談を継続する。また、3つのコンサルテーション方法の利用のしやすさに関しては、さらにインタビュー調査もまとめ、各クラブにフィードバックしたい。
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Causes of Carryover |
Eメールに関する支援員の負担が大きく、現在もデータ収集および分析中であり、平成30年度に予定していた研究のまとめやクラブへの研究結果のフィードバックができなかった。従って、今年度の使用額は、こうしたまとめや資料送付を行うための消耗品費(コピー用紙、インク等)、通信費(郵送代)として予定している。
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Research Products
(2 results)