2016 Fiscal Year Research-status Report
18歳選挙権を踏まえた主権者教育及び子どもの社会参画促進につなげる国際比較研究
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16K13076
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
林 大介 東洋大学, 人間科学総合研究所, 客員研究員 (60708379)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 18歳選挙権 / 主権者教育 / シティズンシップ教育 / 子ども参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)主権者意識を育む教育のあり方の実践検証と評価 <研究会の実施>2016年6月19日から「18歳選挙権」が始まり、同年7月の参院選では、模擬選挙の参加者が1万人を超え、中学校や高校での模擬選挙に注目が集まった。その一方で、「政治的中立性」との兼ね合いもあり、政治教育・主権者教育のこれからについて模索が続いている。そこで、7月の参院選で模擬選挙に取り組まれた中学校・高校の先生方からの報告、学校と連携している民間団体の工夫、メディアの立場からの提言、当事者である高校生とともに、これからの政治教育・主権者教育についての意見交換を行った。 <アメリカ視察>大統領選挙(2016年10月)における模擬選挙、政治教育及びシティズンシップ教育の現場を視察するために、高校教員、NPOスタッフとともにアリゾナ州フェニックスの小学校・中学校・高校・大学・州教育局・現地NPO等を訪問し意見交換を行った。 (2)子どもの声を政治・行政に反映する機会の効果検証と評価 「「地方自治と子ども施策」全国自治体シンポジウム2016宝塚」を通じて、実際に自治体における子ども会議に参加している子どもおよび自治体職員から、その効果と評価について意見を伺った。また、模擬選挙やセミナーなどを通じて、中高生世代の声を把握した。 模擬選挙に関する報告書を作成し、ウェブサイトを通じて情報発信を行うとともに、論文や書籍などで政治教育・主権者教育が抱えている課題や展望についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検証のための研究チームの立ち上げにはいたらなかったが、10月に行った研究会において報告いただいた先生方から中学・高校の学校現場が抱えている課題が多数出され、今後の改善点を見出すことができた。また、初の18歳選挙権による国政選挙となった7月の参院選を踏まえて、各地からも課題が届いている。学生団体、NPOなどが各地で活躍していたこともあり、それらの団体からも課題やこれからの展望が寄せられている。特に「政治的中立性」に対しては、自民党がいわゆる“密告サイト”を開設したことによって、必要以上に意識していることが把握できた。海外での取り組みについては、アメリカでの調査についてまとめるとともに、アメリカで模擬選挙を推進しているMock Election USAと連携をとることとなった。 なお、子どもの声は必要に応じて把握してきているが、初の18歳選挙ということで学校現場も慎重になったため、意識調査を行うことはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年7月の参院選における模擬選挙の状況を把握し、改めて、模擬選挙の効果検証に取り組む。特に、実施上の課題、改善点、模擬選挙以外の主権者教育のあり方などについて、現場の先生へのヒアリングを含め、丁寧に取り組む。その際、可能であれば、教育委員会や管理職などに対してもヒアリングを実施し、現場が抱えている状況が浮き彫りとなるようにする。海外の取り組みについては、「政治教育センター」によって国として政治教育に取り組んでいるドイツ(連邦議会議員選挙 2017年9月)、コスタリカ(大統領選挙 2018年2月)の視察を実施し、特に日本で課題となっている「政治的中立性」の扱いについて調査を行う。そして、日本における「政治教育センター」の設立やそのあり方について、研究を深める。 自治体に対するヒアリングは、ヒアリング先を5-7箇所程度に絞り、担当者および参加している子どもを対象に実施する。また、子ども・若年層の社会参加・政治参加に取り組んでいるNPOや学生団体における事例調査や関係者に対するヒアリングを実施し、主権者教育・政治教育のあり方について多角的側面から研究を行う。
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Causes of Carryover |
海外調査において見込んでいた当初旅費よりも安価な航空券を手配できた。また、研究チームを立ち上げなかったため、謝礼や交通費の支給が当初よりも少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外調査(ドイツおよびコスタリカ)においては、当初予定よりも支出の増額が見込まれるため、その費用に充当する。
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Research Products
(9 results)