2019 Fiscal Year Annual Research Report
Fathers participation in child-rearing through book reading activities with their children
Project/Area Number |
16K13081
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
鈴木 佳奈 広島国際大学, 健康科学部, 准教授 (20443252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 聖美 茨城大学, 教育学研究科, 講師 (00710089)
西村 太志 広島国際大学, 心理学部, 准教授 (30368823)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 絵本の読み聞かせ / 父親の育児参加 / 父親・母親・子どもの協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は,(1)すでに得た録画データの整備,(2)追加調査,(3)データ分析,を行った。 (1) 平成30年度までに,東広島市近辺に在住する21組の家族の協力のもと,父親による子どもへの絵本の読み聞かせ10時間57分39秒分,夫婦へのインタビュー15時間21分17秒分のデータを得た。今年度前半は,それらの録画データを分析可能な文字化資料に整備した。 (2) 本研究は当初,(1)に概要を示した質的データを中心に分析を行う計画であったが,協力者からは補完的に家事・育児に関するアンケートにも回答してもらっていた。しかし,量的分析を適切に行うためにデータを追加する必要性が指摘されたため,アンケートのみ新たにweb調査を行った。対象者は広島市・呉市・東広島市に住む未就学児を持つ夫婦で,夫と妻双方に回答を依頼した。最終的に,69組のペアデータを得た。 (3) 質的データの分析については,インタビュー回答から,家事・育児の分担や負担に対する夫婦の意識の異同や,家事・育児の分担に関する過去の経緯,子どもが生まれてからの父親観の変化などを,M-GTAの手法を用いて分析している。一方,絵本読み聞かせの録画データからは,会話分析の手法で,子どもに「研究協力者」としての適切なふるまいを教える親の言動,本選びやページめくりの主導権の交渉,父親と子どもの関係性に対する母親の介入など,今後さらに分析を深め得る現象の候補を複数特定した。量的データについては,現在は基礎的な集計を終えた段階である。今後は「夫婦ペアレンティング調整尺度」を中心に,ペアデータから読み取れる夫婦の意識の差を分析する。 プロジェクト期間を通して,夫婦間および親子間のかかわりに関する多様なデータが得られた。プロジェクト終了後も,データの多様性を生かして,父親・母親と子どものかかわり方について多角的な検討を継続して行う予定である。
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Research Products
(1 results)