2017 Fiscal Year Annual Research Report
A stusy on biological function of endogenous CO as a byproduct of heme metabolism
Project/Area Number |
16K13092
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
北岸 宏亮 同志社大学, 理工学部, 准教授 (60448090)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 一酸化炭素 / ヘム / ポルフィリン / シクロデキストリン |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内において一酸化炭素(CO)はヘム代謝の際の副産物として常時産生されており,さまざまな生理機能を有すると考えられてきた。実際に外部からガスあるいは徐放試薬によってCOを生体に付与すると,毒性のない範囲では抗炎症作用などの細胞保護作用が観測されており,COの生理機能には注目が集まっていた。しかしながら,生体内において内在性COの産生のみを停止させる有効な手段がないために,COの真の生理機能に迫る研究は非常に限られていた。 本研究では,我々が独自に研究してきたヘムタンパク質モデル錯体hemoCDを使って,内在性COの生理機能探索を行った。hemoCDは,ポルフィリン鉄錯体とシクロデキストリン二量体から成る包接錯体であり,水中で酸素(O2)やCOと可逆的に結合する性質を持つ。特にCOに対する親和性が高く,ヘモグロビンの約1000倍であり,これまでに報告されている生体内COレセプターのどれよりもCO親和性が高い。 我々は独自のCOレセプターhemoCDを使って,生体内COを選択的に捕捉し,その際の生体内の状態を調べることで,内在性COの生理機能について研究した。今回はとくに細胞内COに焦点を当て,細胞膜透過能を付与したhemoCDの合成,細胞内COの除去,それによる細胞内環境変化の観測を行った(JACS, 2017, 139, 5984))。さらに別のアプローチとして,ミトコンドリア呼吸鎖末端に存在するシトクロムcオキシダーゼ(CcO)の構造と機能に着目し,水溶性のCcOモデル錯体を構築,このモデル錯体とCOとの反応性を調べることにより,CcOとCOの反応の本質に迫ることを試みた(Chem. Sci. 2018, 9, 1989)。
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[Journal Article] A Water-Soluble Supramolecular Complex that Mimics the Heme/Copper Hetero-Binuclear Site of Cytochrome c Oxidase2018
Author(s)
H. Kitagishi, D. Shimoji, T. Ohta, R. Kamiya, Y. Kudo, A. Onoda, T. Hayashi, J. Weiss, J. A. Wytko, K. Kano,
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Journal Title
Chem. Sci.
Volume: 9
Pages: 1989-1995
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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