2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of near infrared dyes for photoacoustic imaging
Project/Area Number |
16K13097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
多喜 正泰 名古屋大学, 物質科学国際研究センター(WPI), 特任准教授 (70378850)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光音響イメージング / 近赤外色素 / 分子プローブ / スイッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発したホスファキサンテン色素は,赤色~近赤外域に強い吸収と蛍光を有する色素群である。中でも,ローダミン骨格の9位をジメトキシフェニル基で置換したPREX 710は,高い化学的安定性と光安定性を有する近赤外色素であり,非常に興味深い性質を示した。例えば,PREX 710は細胞膜透過性を有しており,ミトコンドリア特異的に局在する。細胞膜染色剤のDiIと核染色剤であるSiR-DNAをPREX 710と同時に添加することで,各オルガネラのマルチカラーイメージングを達成した。また,PREX 710で染色したHeLa細胞を30秒おきに7時間半,連続撮影したところ,細胞分裂する様子をライブで捉えることに成功した。最後に,PREX 710を用いたin vivo深部イメージングを実施した。PREX 710でラベル化したデキストラン(分子量70,000)をマウス尾静脈から投与し,脳深部の血管イメージング画像を取得した。その結果,表層から300-400 μm深部にある血管を検出することができ,脳血管を3次元的に画像化することができた。以上の結果は,PREX 710が新しい近赤外蛍光色素として有用であることを示している。 さらに光音響イメージングへの応用を視野に入れ,PREX 710を取り込んだシリカナノ粒子を作成した。色素がナノ粒子から流出するのを防ぐため,トリアルコシキシラン部位をPREX 710に導入し,ナノ粒子形成の際に同時に使用している。条件検討の結果,30-50 nm程度の粒径をもつ均一サイズのナノ粒子を得ることに成功した。さらに血中における凝集を抑制するため,ナノ粒子表面をポリエチレングリコール (PEG)で修飾した。これを担癌マウスに尾静脈投与したところ,EPR効果によって腫瘍部位に集積している様子が確認された。
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