2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13110
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
内匠 透 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, シニアチームリーダー (00222092)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳腸連関 / 腸内フローラ / 光遺伝学 / 自閉症 |
Outline of Annual Research Achievements |
腸は「第二の脳」ともよばれ、脳腸連関は精神機能を考える上でも興味ある臓器間ネットワークであるが、その詳細な機構は不明である。自律神経による高次脳機能への役割を明らかにするために、低侵襲性で腸管の自律神経を可逆的・生理的かつリアルタイムで制御できる無線光遺伝学的手法を開発する。また本法を利用して、光感受性タンパクの自律神経特異的発現マウスにおける腸の自律神経系を活動操作する事により、記憶や社会性等の複雑な脳機能や脳の神経活動に与える影響を明らかにする。 無線光遺伝学を可能にする基盤技術として、発光ダイオード(LED, light emitting diode)を用いた。LEDの進歩は著しく、広く一般社会にも使用されるようになってきたことから、簡単かつ廉価で利用できるようになった。また電磁誘導により生じる誘導電流は、電磁(IH, Induction Heating)調理器などで一般利用されている。この二つを用いて比較的簡単にLEDを発光させることを確認した。本システムは、電磁誘導により生じる誘導電流により閉回路状態のLEDに電流を流すものであり、腹腔内に埋め込んだマイクロLEDを外部との結線なしに光らせることができると期待される。 また、対象とするマウスの腸内神経叢の形態学的検討を行うとともに、腸内フローラの関与の検討を行うための基盤データを収集した。我々の研究室で確立された自閉症モデルマウス(15q dup)と野生型マウスの定常状態でのメタゲノム解析を行い、15q dupで特異的に変動する菌種を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非接触状態で、電磁誘導により生じる誘導電流により閉回路状態のLEDに電流を流すことを確認した。また対象となる腸内神経叢、さらには野生型及び自閉症モデルマウスの定常状態における腸内フローラのメタゲノム基盤情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
腸内自律神経系に発現させたChR2を活性化する系の確立にむけて継続するとともに、脳腸連関を明らかにするために、対象としての自閉症モデルマウスの腸内フローラに関するさらなる解析を進める。すなわち、腸内フローラを変化させるために抗生物質を投与するとともに、行動表現型との関連を検討する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Serotonin rebalances cortical tuning and behavior linked autism symptoms in 15q11-13 CNV mice.2017
Author(s)
Nakai N, Nagano M, Saitow F, Watanabe Y, Kawamura Y, Kawamoto A, Tamada K, Mizuma H, Onoe H, Watanabe Y, Monai H, Hirase H, Nakatani J, Inagaki H, Kawada T, Miyazaki T, Watanabe M, Sato Y, Okabe S, Kitamura K, Kano M, Hashimoto K, Suzuki H, Takumi T
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Journal Title
Science Adv
Volume: -
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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