2016 Fiscal Year Research-status Report
ケニア都市部における人々の移動史と居住環境に関する民族誌デジタルアーカイブ研究
Project/Area Number |
16K13128
|
Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
野口 靖 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (50287869)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 社会人類学 / 可視化 / 情報システム / 国際研究者交流 ケニア |
Outline of Annual Research Achievements |
・時空間マップソフトを利用したナイロビのスラム住民の移住過程の可視化 キベラ、カワングワレ、マダレにおいて、対象者の移住過程についての聞き取り調査をおこなった。どのようなライフイベント(入学、卒業、結婚、離婚、就職など)のタイミングでどこに移住したのか、またその理由について、時系列順に明確になるようにお話を伺った。 ・ナイロビのスラムにおける住環境調査及びデジタルアーカイブ化 住民の暮らしぶりは、主に民族、宗教、立地条件、建材、住居の空間構造等の要因によって規定されている事実を踏まえ、ナイロビのキベラ、カンゲミ、カワングワレ、マダレ、ムクルにおいて、住民に対するインタビューをおこなった。このインタビューは前述の時空間マップ用のコンテンツとは差別化し、地域の生活のしやすさや、住み始めた理由、個人的な出来事などのプライベートな情報を聞き出した。また、360度の全方位パノラマ撮影が居住空間の記録に適していると考え、各家庭でインタビューの後に全ての部屋を撮影した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「時空間マップソフトを利用したナイロビのスラム住民の移住過程の可視化」については、予定通り、五つの地域で2,3名の対象者を見つけることができたので、想定していた対象者数を確保することができた。 「ナイロビのスラムにおける住環境調査及びデジタルアーカイブ化」は、もう少し聞き取りの対象者を増やしたいところではあったが、むやみに数を増やしても限られた滞在期間の中で丁寧な調査ができないと判断したので、予備調査の際に特徴的な居住環境だと思われた対象者を吟味して、聞き取り調査をおこなった。この聞き取り調査は引き続き継続する。
|
Strategy for Future Research Activity |
「時空間マップソフトを利用したナイロビのスラム住民の移住過程の可視化」については、対象者が多ければ多いほど乙系的な意義が見出せるので、引き続き対象者を拡大していく。また、webアプリケーションを開発することによって、ケニアの調査だけではなく、他のアーカイブにも活かせるシステムを開発して行く。 「ナイロビのスラムにおける住環境調査及びデジタルアーカイブ化」も、引き続き対象者を探しながら活動していくが、今年度は一度民族誌映像としてまとめ、また、すでに撮影した全方位パノラマ写真も、インタラクティブアート作品として体験可能なように、インタフェースを開発する。
|
Causes of Carryover |
次年度のケニア滞在が、長期間にわたる可能性が出てきたので、全額は執行しなかった。また、webサイトの作成費用も必要なので次年度に繰り越した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
航空運賃 ケニア(野口・椎野)46万円、滞在費 ケニア(野口・椎野)28万円、ソフトウェアへのデータ入力、ウェブサイト更新 14万円、c-locソフトウェアアップデート作業 20万円
|
Research Products
(1 results)