2017 Fiscal Year Research-status Report
ケニア都市部における人々の移動史と居住環境に関する民族誌デジタルアーカイブ研究
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16K13128
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
野口 靖 東京工芸大学, 芸術学部, 教授 (50287869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会人類学 / 映像人類学 / デジタルアーカイブ / ライフストーリー / 情報システム / 国際研究者交流 / ケニア / スラム |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 住民Aが食材を購入し食事を作るシーンを撮影し、その背景にある地域の流通、近隣住民との関係等を分析および考察する。2. 住民Aの親子・兄弟姉妹・親戚関係をインタビューによって明らかにする。3. 住民Aが教会に参加する様子とそこで生まれる人間関係を撮影し、分析および考察する。4. 兄弟姉妹、勤務先の同僚に住民Aとの関係をインタビューする。 住民Aの積極的な協力もあり、期間中に目標のシーンを全て撮影することができた。 ・研究成果のメディアアート的アプローチによる視覚化および展示 上記の撮影と編集の結果として27分間のドキュメント映像を作成し、勤務先の大学内のギャラリーで展覧会をおこなった。本展示ではナイロビのスラム住民Aのみであったが、今後は日本やヨーロッパの事例も並置し、比較文化研究の成果として映像制作を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年8月16日から31日までケニアのナイロビに滞在したが、ケニアの大統領選が8月にあった関係で、正常不安定になることが予想されることから混乱を避けるために渡航時期が遅れた。取材期間が限られていたため、今回はナイロビのスラム住民のライフストーリー映像作成を優先させた。 「ナイロビのスラムにおける住環境調査及びデジタルアーカイブ化」におけるインタビューも引き続き行う予定だったが、今回は調整が困難だったことから、来年度に継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定にあった、「ナイロビのスラムにおける住環境調査及びデジタルアーカイブ化」の進捗が遅れているので、平成30年度はデジタルアーカイブの作業を中心に進める。東京大学の井本佐保里助教が同じナイロビのスラムであるムクル地区で居住地域の調査及び小学校や住宅の建築を行なっているため、共同研究による新たな展開を探る。井本氏の調査では、すでに52組の家族の居住空間、親族関係、移住の過程が調査されているため、デジタルアーカイブとの親和性が高い資料だと考えられる。 「ナイロビのスラム住民のライフストーリー映像作成」では、継続的に住民Aの生活をドキュメントし、さらに日本の千葉の事例やスウェーデンの事例も追加し、文化人類学における比較研究や比較文化学的側面を持った映像制作を行う。 なお、平成30年度後半に研究成果を、メディアアート的アプローチによる視覚化および展示によって積極的に公開し、来場者やワークショップ参加者からのフィードバックを得ることによって、今後の研究に生かす。
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Causes of Carryover |
本研究は現地でのフィールドワークが重要であることと、平成29年8月は現地であるケニアのナイロビが大統領選に伴う混乱が予測されたために大概期間短縮せざるを得なかった。よって、最終年度である平成30年にもケニアへの渡航費が必要だったため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(5 results)