2016 Fiscal Year Research-status Report
生殖医療技術の規制に関するジェンダー分析―通文化的・通時的研究を中心に
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16K13139
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
柘植 あづみ 明治学院大学, 社会学部, 教授 (90179987)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生殖技術 / 生殖補助技術 / 生命倫理 / 医療人類学 / 国際比較 / スペイン / 台湾 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は3年間の研究の土台にするために研究代表者と連携研究者の意見交換、情報交換を行い、先行研究の情報の共有方法を定めた。また、研究代表者と連携研究者がこれまでに行なってきた調査とその結果を相互に理解するための研究会を複数回、開催した。 2016年8月にバルセロナにて開催された4S(Society of Social Studies of Science)の学会に研究代表者と連携研究者が参加し、その場でこの研究テーマと親和性のあるテーマで研究している研究者とのネットワーキングを行なった。 また、バルセロナ市内で卵子提供や精子提供、着床前診断(PGD)や着床前受精卵スクリーニング(PGS)を実施し、日本を含む外国からのクライエントを受け入れているクリニックでの医師とコーディネーターへのインタビュー調査を実施した。とくに日本では実施はされているがドナーを見つけるのが難しい卵子提供による体外受精をヨーロッパー在住の日本人が、東洋系のドナーを求めて訪れており、ドナーの選定についての文化的な違いについて興味深い知見を得た。 台湾の研究者との意見・情報交換を行い、日本人が卵子提供による体外受精をするために台湾で施術を受けていることについて今後の調査について話し合った。とくに、ドナーの選定についての日本と台湾との規制やクライエントの希望の差について今後の研究の拡がりの可能性が把握できた。 着床前検査やNIPTについて、日本は規制的で台湾は大勢の人が検査を受けている状況の違いが何に起因するのかについて、今後の共同研究の課題が得られた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スペインでの調査と学会でのネットワーキングが順調に進んだ。 台湾の研究者との意見・情報交換が有益であった。 プロジェクトチームの3人がそれぞれの研究地域・領域をもちながらも、協力的である。
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Strategy for Future Research Activity |
スペインについては文献検索をして、インタビュー調査結果の分析を深める。台湾についても関連論文の検討を行い、台湾の研究者との意見交換を行なう。2017年には新たに、オーストラリア、北米の研究者との意見・情報交換を行なう。また、韓国の調査を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
韓国における海外調査のための3名の渡航費とインタビューの文字起こしとその翻訳料金が必要になる。また、オーストラリア、台湾の研究者との情報交換のための研究者の旅費の支出のために使用額を繰越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
8月-9月オーストラリア、台湾の研究者の招聘旅費、研究会開催経費 9月韓国調査旅費(3名分) それぞれの記録の文字起こし、英語ではない言語の翻訳
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Research Products
(8 results)