2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Media-Sociocultural History on Mass Tourism in Modern China
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16K13140
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 賢一郎 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (90262097)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ツーリズム / 中国 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
1)本年度は最終年度にあたり、研究の取りまとめと成果公表に注力する心づもりであったところ、所属機関の改組に伴う業務多端となり、結果的に進捗状況は不本意な水準に留まった。前年度に調査環境の立て直しをはかることができたため、その延長線上で資料の収集と分析を継続した。ただ、上海市档案館所蔵の中国旅行社や友声旅行団の档案の調査は本年度も実施できず、最終的に大きな課題として残ったことは憾事である。一方で、『申報』掲載のマスツーリズム関係記事の収集は順調に進んだ。同紙所載の友声旅行団及び倹徳儲蓄会に関する記事(広告を含む)については基本的に収集を終えることができたので、今後整理を進める。 2)中国における学術情報データベースの整備の進展により、中国で発表された博士・修士学位論文が簡便かつ網羅的に入手することができた。それらを通観すると、依然として友声旅行団及び倹徳儲蓄会の旅行活動はほぼ全く注目されておらず、本研究課題を今後引き続き親展させることの重要性をあらためて感じた。近い将来に研究成果の発表を期したい。 3)本研究を進める過程で、近代中国における民間セクターを軸としたマスツーリズムの一つの重要なあり方として、いわゆる修学旅行や教育文化領域の視察旅行、またキリスト教界を中心とする国際的な平和運動の連携と人的交流の重要性が再認識された。近代中国におけるマスツーリズムとメディア、社会文化との相互連関、そのグローバルな展開に関する一つのアプローチとして、本年度論文をまとめ発表することができたのは、今後の研究の広がりという意味で学術的意義をもつものと確信しており、将来的に継続展開していく所存である。
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