2016 Fiscal Year Research-status Report
観光立国を目指した観光圏の経済効果の計測手法の開発
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16K13141
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山口 誠 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), シニア研究員 (40174627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 一宏 立正大学, 経済学部, 准教授 (20581383)
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70291416)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 観光政策 / 経済効果 / 経済モデル / 評価 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、観光産業、地域経済、観光立国、観光圏、統計処理、産業連関分析などに関する資料収集及び整理を行った。我が国における観光立国政策と将来動向について文献整理、調査を行った。観光圏の取り組みや連携状況について調査し、観光圏の先端的な事例について調査した。観光圏の経済効果を計測するのに適切な地域として、浜名湖観光圏を選び、観光圏の経済・産業構造の調査を行った。静岡県は、浜名湖、伊豆半島、富士山等の観光資源を有しており、観光の経済効果を分析する対象地域として適していると判断した。また、観光圏を推進するための事業や政策について調査し、実施状況やその効果等について調査を行った。 浜名湖観光圏は静岡県の浜松市と湖西市にあることから、静岡県を対象とした市町間産業連関表の推計を行った。静岡県の地域内産業連関表から、各市町の経済指標から市町間産業連関表を推計する手法を開発した。2011年静岡県35市町37部門の推計表を作成することができた。 観光圏の経済効果を計測するために必要な経済・観光財・サービスの指標について調査を行った。静岡県の観光に関する経済効果についての調査報告書等から、利用可能な指数等を選定した。静岡県では県全体の経済効果を計測するツールを公表しており、市町別の効果を計測する際にも、ツール内の情報を有効に利用できることがわかった。市町別の観光入り込み客数から、観光消費を推計し、市町内・市町間に波及する生産誘発効果を計測するプロトタイプモデルを開発した。この成果については学会等で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
静岡県を対象とした市町間産業連関表の推計を、重力モデルとRAS法を用いて推計することができた。各市町別の観光レクリエーション数から、日帰り客・宿泊客別の観光消費額の推計を行うことができた。地域間産業連関モデル(アイサード型モデル)を用いて、観光消費の波及経済効果を、市町別に計測するプロトタイプモデルを開発することができた。これらの研究成果については、日本環境共生学会と北米地域学会(NARSC)へ投稿・報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
観光圏の現況に関する調査から、浜名湖観光圏に加えて、北海道の観光圏、九州の観光圏、四国の観光圏が分析対象地域としてふさわしいことがわかった。統計データの整備状況や産業連関分析の既存研究の成果なども踏まえて、分析対象地域をさらに選定し、経済効果計測を行っていくことを予定している。市町村間の交通インフラの改善などが、観光圏の経済効果にもたらす効果についても調査を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
観光圏の文献調査により九州地域の観光圏が研究対象地域として適切であることがわかり、九州地域の観光圏の調査を行う予定であったが、調査先等のスケジュール調整により、次年度に行うこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
九州地域の観光圏のヒアリング調査等を行う。
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Research Products
(4 results)