2016 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャル・ツーリズムに係る多角的効果測定に基づく旅行支援の制度設計に関する研究
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16K13145
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
岡 達哉 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (40572110)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ソーシャルツーリズム / ファミリーツーリズム / 観光資源 / 教育観光 / 観光政策 / ホスピタリティ教育 / 観光教育 / 観光事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に係る先行研究・先行事例に関する情報収集の一環として、ソーシャル・ツーリズムの先進的取組みを進めているベルギー政府フランダース観光局の協力を得て、2016年8月、ベルギーのGhent(ゲント・ヘント)市内において以下の調査活動を実施した。①フランダース観光局に所属する職員2名に対するインタビュー調査 ②ソーシャル・ツーリズムの先進的取組みを行っているGhent市内の宿泊施設の経営者・担当者等に対するインタビュー調査 ③Ghent市職員との意見交換会の開催。 これらの調査活動とあわせて、2016年8月にイギリスのグリニッジ大学(University of Greenwich)で主催された「国際観光研究学会」の世界大会(International Tourism Studies Association 6th Biennial Conference)において、本研究のフレームと進捗状況について発表し、観光学を専門とする有識者から、本研究のさらなる発展に向けて有用となる示唆を得た。 また、スイスから北陸方面を旅行目的で訪れた家族1組に対し、旅行行程の一部に同行しながらインタビュー調査を実施するとともに、本研究の海外協力者から、米国において実施されたファミリーツーリズムの需要面に関するアンケート調査の概要と分析結果を得た。これらの調査及び情報収集は、本研究が明らかにしようとする需要面の現状把握のため今後行うアンケート調査の改善を図る目的で行ったものであり、適切な調査項目と分析フレームの設計に向け新たな視点を得ることができた。 さらに、本研究が射程においている供給面の分析に関しては、石川県内の団体による複数の招待講演の機会を得ることができ(七尾市内・2016年12月、金沢市内・2017年3月)、ビジネス関係者との意見交換を通じ、本研究の成果につなげるための具体的課題を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画(年次計画)として定めていた「国内外の先行的実践事例に係る把握と課題抽出」については、ソーシャル・ツーリズムの先進的取組みを進めているベルギー政府フランダース観光局の協力を得られる運びとなったことを踏まえ、現地調査活動を実施したほか、本研究の海外協力者から、米国におけるファミリーツーリズムに関する調査概要と分析結果を入手することができた。また、国際学会での発表を行い、有識者からの示唆を得ることにより、調査研究フレームのさらなる精緻化が可能となった。結果的には、これらの成果は、平成29年度に予定していた「海外協力者からの専門的知識の提供」について、相手方との調整の結果、実質的に1年前倒しで実施することができたものと考えることができる。これにより、平成28年度から29年度にかけて実施することとしていた「需要面・供給面のアンケート調査・インタビュー調査」についても、上記調査及び情報収集により得られた先行研究・先行事例を十分に分析し、効果的、効率的な調査となるよう一層の改善を図ったうえで平成29年度中に実行に移すことが可能となったものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初に定めた「研究計画・方法」に沿って調査研究を引き続き進める。 具体的には、国内外の先行研究・先行事例に関する情報収集と課題抽出を引き続き進めつつ、前年度に得られた先行研究・先行事例をもとに、需要面のアンケート調査、インタビュー調査を本年度中に実施する。 供給側の調査分析については、所属大学が地域貢献の一環として関係自治体と研究や交流の推進に向けた各種協定を締結したことなど外部要因の変化も踏まえつつ、モデリングに向け、主に石川県内の自治体や観光事業者等との接触をさらに進める。 また、本調査研究の一部について、本年度開催される国際会議における発表として採択されたことから、観光学を専門とする有識者からフィードバックを得ることを予定している。
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Research Products
(2 results)