2018 Fiscal Year Annual Research Report
Proof theoretic and semantical study of Fregean Logic
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16K13150
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 京都大学, 情報学研究科, 名誉教授 (20027387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋吉 亮太 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (20587852)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | フレーゲ論理学 / 概念記法 / 無矛盾性 |
Outline of Annual Research Achievements |
述語論理を史上初めて整備し、分析哲学の源流となったフレーゲがその著書『Grundgesetze der Arithmetik』で構築した論理体系は、ヒルベルトの形式主義への道を切り拓いた極めて重要なものであったがラッセルのパラドックスを含んでいた。本研究は矛盾の根本原因を証明論的および意味論的手法により解明することを目指してきた。本年度は,フレーゲ論理学に関してフレーゲの無矛盾性証明の分析を行った。 具体的には前年度に引続いて、Ω 規則と呼ばれる伝統的証明論の手法とフレーゲの無矛盾性証明の矛盾の原因の関係性を明らかにすべく取り組んだ。分担者である秋吉は、パリ第一大学科学史・科学哲学研究所(IHPST)所属のパリ第一大学アルベルト・ナイーボ准教授と共同研究を行った。結果として、Ω 規則やフレーゲの無矛盾性証明を「言明に意味を与える」という観点で統一的に整理できるのではないか、というアイディアを得ることができた。本研究の成果として,共著書『よくわかる哲学・思想』 (納富信留,檜垣立哉,柏端達也編, ミネルヴァ書房 )が 2019 年 4 月に出版されることになった。また、『ドイツ哲学・思想事典』の「ヒルベルト」の項目執筆を引き受けた。 期間全体の成果は次のようにまとめられる。Ω 規則やフレーゲの無矛盾性証明を「言明に意味を与える」という観点で統一的に整理できるのではないか、という共通点を見出すことができ、今後の研究の萌芽を得ることができたと言える。 最後に、研究代表者の佐藤は計算機科学や数学が元々のバックグランドであり、分担者の秋吉の元々のバックグラウンドは哲学であるため、今回のプロジェクトを通じて分野を跨いだ共同研究のネットワークを構築することができたことも重要である。
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Research Products
(2 results)