2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K13152
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
鈴木 貴之 南山大学, 人文学部, 教授 (20434607)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神医学の哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究プロジェクトの実施にあたっての準備作業を行った。 具体的には、精神医学の哲学に関する近年の英語文献を中心とした文献調査を通じて、精神医学の哲学、とくに精神医学の理論的基礎に関してどのような問題が存在し、それぞれに関してどのような論争が行われているかを調査した。その結果、哲学的な観点からは、精神疾患概念の定義、精神疾患の分類、精神医学における生物・心理・社会の関係、精神医学の特殊性などがとくに重要な問題となることが明らかとなった。来年度以降はこれらの問題について具体的に研究を進める。 このうち精神医学における生物・心理・社会の関係については、米国の精神医学者ナシア・ガミーによるバイオサイコソーシャルモデル批判について検討し、バイオサイコソーシャルモデルの内実は、説得的だが平凡な主張と興味深いが説得的ではない主張のいずれかとして理解すべきであることを明らかにした。その成果は論文「精神医学における折衷主義と多元主義ーナシア・ガミーの著作を読む」として公刊されている。 また、今年度は東京大学駒場キャンパスで開催されているPPP(Philosophy of Psychiatry and Psychology)研究会に加入し、数回の研究会に参加出席したほか、2016年6月に埼玉大学で開催された科学基礎論学会で開催された精神医学の哲学を主題としたワークショップに参加出席した。これらの活動を通じて、精神医学の哲学を研究している国内の研究者との人的ネットワークを構築し、来年度以降の活動に向けた準備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は学内業務が多忙であったことに加えて、同時に他の科学研究費プロジェクトを遂行する必要があったため、本研究プロジェクトについては、予備的な文献調査および研究会等への参加出席を行うにとどまった。来年度には、研究発表や研究会を複数開催するなどの活動を通じて、進捗状況を当初の研究計画に近づける予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、精神医学の理論的基礎に関する諸問題のうち、とくに精神医学における生物・心理・社会の関係について研究を進める。その成果は、PPP研究会における研究発表、日本精神神経科学会における学会発表などを通じて公表する予定である。来年度後半は、精神疾患の定義、精神疾患の分類、精神医学の特殊性などの問題について、研究会の開催などを通じて研究を進める。研究遂行にあたっては、PPP研究会や東京大学の石原孝二准教授の科研費プロジェクトなどとの連携を通じて、効果的な研究の遂行を図る。
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Causes of Carryover |
本年度は学内業務が多忙であり、また、同時に別の科学研究費プロジェクトを遂行する必要があったため、本研究については研究計画に予定していた研究会の開催等を行うことができず、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、本年度に実施予定であった研究会等を次年度に開催することで使用する予定である。
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Research Products
(1 results)