2017 Fiscal Year Research-status Report
人文情報学を活用した宗教学の新たな教育方法論の構築と研究への循環
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16K13156
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
土井 裕人 筑波大学, 人文社会系, 助教 (80568402)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 人文情報学 / 宗教学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、教育実践に人文情報学を応用するという試みを実際に授業で展開し受講学生からフィードバックを得るとともに、その成果を全国学会（日本宗教学会および情報処理学会の人文科学とコンピュータシンポジウム2017）にて発表した。
日本宗教学会では、学説史という宗教学の授業において重要なテーマを設定し、教材作成への適合度が高い4人の学者の学説を取り上げて分析した結果を発表した。これを担当する教育の領域を同じくする人々と議論することで宗教学の教育の質向上に向けた着想を得るとともに、これを宗教研究にどのようにフィードバックして新たな視野を得るかについて意見交換を行った。
人文科学とコンピュータシンポジウム2017では、視覚化と可触化により作成した教材を提示しながら、人文科学とコンピュータについての専門の研究者と突っ込んだディスカッションをすることができた。なかでも、作成した教材を実際に授業で使用したことに対する学生からのフィードバックを取って分析したことには、一定の意義があったように思われる。
また、本研究において得られた「これまで伝えにくかったことを適切に伝える」方法論は、研究代表者が学内で担当している学生支援を含めたプロジェクトにも反映し成果を挙げつつあり、新規に研究計画を立てたところである。
本研究と関連して、これまで研究代表者が新領域の学術の開拓に取り組んできた実績により、平成29年4月には文部科学大臣表彰科学技術賞（理解増進部門）を受賞（産業技術総合研究所の主任研究員と共同）するとともに、平成29年6月に筑波大学学長表彰を受けた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
この研究分野で第一となる全国学会（情報処理学会の人文科学とコンピュータ研究会）に査読論文が掲載され、同じく査読を伴ったポスター発表を行った（ともに「視覚化と可触化による宗教学の教材作成とその応用に向けて」）。また、宗教学の全国学会（日本宗教学会）での口頭発表も行っている（「人文情報学を活用した宗教学の教材作成をめぐる一試論」）。
思想研究へのコンピュータの利用・活用だけでなく、西洋古代の宗教思想という本研究課題が本来持っている領域の研究としても、専門の研究会において発表を行った（「プロクロスにおける「媒介するモノ」としての魂の乗り」）。これについては、論文として刊行すべく準備を進めており、平成30年に成果発表できる見込みである。
それだけでなく、本研究から新たな研究分野を生み出す着想も得ることができ、今後の展開を期待することができる。
以上により、本研究の進捗状況は、概ね順調に進捗しているものと思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、本研究課題の最終年度として、平成29年度までの研究の進捗を基盤にさらなる研究の推進を図る。
本研究課題においては、視覚化や可触化による宗教学の教材作成による教育の刷新という点は先に述べたように十分に進捗していると言える。
その一方で、今後の研究において解決しなければならない課題は、これらの結果を宗教学の専門的な研究にどうフィードバックするかについては、具体化に向けた途上にある。この点については、今年度の重点課題としたい。
そのためのアプローチとして、同じ宗教学の他の研究者との共同研究の話を進めているところである。これは、視覚化や可触化の方法論を他の研究者間の研究対象で試行するものである。これにより、本研究課題の研究としての方法論をより洗練することで、宗教学の研究を向上させるだけでなく、他の学問分野とも知見を共有する試みも実際に行っていくことを、今後の研究の推進方策として挙げておきたい。
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Research Products
(4 results)
