2016 Fiscal Year Research-status Report
比較宗教美術史学の国際ネットワーク構築に向けた基礎的研究
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16K13170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 聰 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50293113)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 美術史 / 比較宗教美術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず国内の日本宗教美術史、修験道建築史の専門家との意見交換を行ない、比較宗教美術史を展開させる上で有効なトピックの選定を進めた。5月には研究代表者を含む4名で熊野の新宮市において、教育委員会および環境問題研究会の協力を得て、研究集会を開催し、有数の聖地に居住する人々からも意見を募る機会を得、聖地や聖なるモノをめぐって、なお探求するに足る肥沃な領野が残されていることが確認された。また夏以降、海外研究者とのネットワーク形成に重点的に取り組み、7月にジュネーブ大学のダリオ・ガンボーニ教授と意見交換する機会を得、8月にはニューヨーク大学アブダビ校准教授のミア・モチヅキ博士と東京で会合を持つとともに、国内博物館等の展示状況を見つつ、比較の諸方法について議論した。また9月に、中世において東西キリスト教世界の結節点のような役割を果たしたプラハを訪れた際には国立美術館のオルガ・コトコヴァ博士と同様の意見交換を行ない、今後の研究交流の可能性を探りえた。1月にはフィレンツェにおいて、KHI所長ゲアハルト・ヴォルフ教授およびフリーブル大学ミケーレ・バッチ教授とも、比較の手法や視点について議論する機会を得た。さらに3月には、リンブルクやマールブルク等において、教会宝物を含む西欧中近世の諸作例をハイデルベルク大学のダグマール・アイヒベルガー教授と共に実見するとともに議論し、比較宗教美術史研究に資するタームの策定について多くの示唆を得た。加えて、比較宗教学における比較研究の諸相について学び、美術作品を比較する上での視点形成に有用な情報を収集した。先駆者としての南方熊楠の重要性が浮かび上がってきた。なお、連携研究者二名とは、三度にわたり研究会を開き、有効な比較のためのタームについて、それぞれの分野からの具体的事例を示しつつ議論を交わし、比較が有効に働くと思われるトピックの選別を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想よりも学務に割かなければならない時間が多く、想定したほどの頻度では連携研究者との研究会は開けなかったものの、密度の濃い打合せを行なうことができ、結果として当初の計画に従って概ね順調に推移しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者、連携研究者共に、学務等の増加が予想されるものの、研究のための時間を確保して、研究会・研究打合せの回数を確保し、計画に沿った研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)