2017 Fiscal Year Research-status Report
グループ・ライティング教育の多様性―文化史研究からカリキュラム開発へ
Project/Area Number |
16K13205
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
C・E Madeen 東京都市大学, 共通教育部, 准教授 (60298007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 裕代 東京都市大学, 共通教育部, 講師 (20581797)
秋山 義典 東京都市大学, 共通教育部, 教授 (70298008)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 成長と青年 / クリエイティブ・ライティング / ZINE |
Outline of Annual Research Achievements |
全体としては、研究会を開催し、東京都市大学のリーディングとライティングの授業実践について意見交換を行った。また、2017年の9月に、鶴見大学の深谷素子先生を講師に招き、多読実践についてのアイデアを教授していただき、リーディングからライティングへつなげる指導への方策を検討した。 マディーンは、クリエイティブ・ライティングの授業実践を行い、それを論文化して現在投稿中である。秋山は、学外研究会(成城大学 2017年12月)において、ジェイムズ・ジョイスにおける成長と教育のモメントを論じた。杉本は、ZINEカルチャーから雑誌づくり、編集肯定のなかに、パラグラフライティングの習得や、クリティカル・シンキングのプロセスがあると仮定し、デザイン思考に基づいた文章作成方法を実践した。都市大での授業で、ZINEを作成し、図書館にZINE Festivalとして展示を行った。これらのプロセスをまとめ学会ポスター発表を行った。 年間を通じて、外観するに、冷戦期文化をキーワードとしながら、ライティング指導を一つの文化構築的な制度とみなし、学生が書く内容については、「あくまで本人の自由で,何の社会的・制度的な制約などされてはいない」という発想自体を俯瞰し、歴史化するレベルまで議論を発展させることができた。 研究分担者たちが、それぞれの研究アプローチごとに、カリキュラム策定、文化言説分析に基づいた文学研究、マルチメディアやアクティブ・ラーニングによるライティング指導方法開発など、多様な話題を見つけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカにおけるクリエイティブ・ライティングの歴史を調査するなかで、当初の予想よりも、より大きな文化的・歴史的文脈(冷戦期文化)があり、そうした文化と政治性を議論することに時間を費やしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
フィリピンをはじめとしたアジアとアメリカの政治や文化との関連性のなかで、クリエイティブ・ライティングを考え、そこから日本の作文教育を歴史化するプロセスに注目する。「自然に自由に書く」という教育の習慣を、所与のものとせず、文化的構築物と考えることから、現代の英語教育、言語教育の問題点をとらえ、新しいカリキュラムへの方策とすることを目指したい。
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Causes of Carryover |
問題設定の仕方について、申請当初に知りえなかった研究潮流について調べた結果、方向性について研究メンバー内で話し合いを持つ時間が必要だったため。また、当初、交流を予定していた外国人研究者の予定が合わず、研究機関を延長する必要がでたため。
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Research Products
(4 results)